[セットトップボックスからカーナビまで組込み機器に広がるAndroid]
本書の概要
本調査報告書では、組込み機器にAndroidが使われ始めている理由、利用時に考慮すべき点、現在入手可能なツールなどを示す。
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本書の内容
携帯電話向けのオープンで無償なプラットフォームAndroidが公開されてから2年半が経過した。2008年にHTC製の「T-Mobile G-1」が米国で販売され、2009年には日本国内でも「HT-03A」の販売が開始された。また、Android自体も、2009年4月にバージョン1.5(Cupcake)、2009年9月に1.6(Donut)、2009年10月に2.0(Eclair)、そして2010年5月に2.2(Froyo)と着実にバージョンアップされ続けている。
このような現状に加えて、アップルのiPhoneによってスマートフォンマーケットが急激に活性化したこともあり、Android搭載の携帯電話の種類も日々増え続けている。また、AndroidがLinuxをベースにしたオープンソースなプラットフォームであり、アプリケーション開発環境にEclipseが利用できることから、携帯電話以外の機器にもAndroidが使われ始めてもいる。
本調査報告書では、組込み機器にAndroidが使われ始めている理由、利用時に考慮すべき点、現在入手可能なツールなどを次の3つの章に分けて示す。
■第1章 Android組込み機器が拓く近未来
本章では、Androidが携帯電話の関係者にもたらした変革の内容、それが組込み機器へと広がっている理由を示す。また、組込み機器へのAndroid利用によって訪れるであろう近未来の数々のシーン、実際にAndroidが組み込まれている機器類、活発な動きを見せている東アジアの各国の状況も示す。
■第2章 組込みソフトウェアの諸課題をOESFが解決する
本章では、Androidの利用を盛り上げようと活動している組織やグループと、その中で組込み機器への利用を促進している一般社団法人OESF(Open Embedded Software Foundation)を紹介する。また、Androidの構成要素の概要とともに、Androidを組込み機器に利用するときに考慮すべき点をハードウェア、ソフトウェアからプロジェクト管理まで幅広い視点で示す。
■第3章 Androidによる組込みソフトウェアの作成
本章では、組込み機器へのAndroid利用のためにOESFによって提供されるOPB(OESF Platform Builder)とMarket Place SDKを取り上げる。OPBは、Androidによるアプリケーション開発環境にライブラリやアプリケーションフレームワークを簡単に追加したり削除したりするための仕組みである。また、Market Place SDKは、Android組込み機器にアプリケーションやサービスを提供できるマーケットプレイスを独自に運用するための仕組みである。
■第4章 Embedded Masterによる機能拡張
本章では、OESFが公開するAndroid向けの拡張機能、Embedded Masterの内容も示している。Embedded Masterによって、組込み機器特有の機能を利用するためにAndroidを拡張できる。
国内の多くの企業は、組込み機器へのAndroidの利用がまだ始まったばかりと考えているようだ。しかし、実際には、韓国、中国、台湾などの東アジアの各国で、Androidを利用した組込み機器が多数製造されている。組込み機器へのAndroidの利用は、急速に広まっている。
本調査報告書が、組込み機器へのAndroid利用のメリット、注目度合、ビジネスチャンスの可能性などを少しでも伝えられるものであれば幸いである。
はじめに 序章 Androidが変える組込みシステム 第1章 Android組込み機器が拓く近未来 第2章 OESFが解決する組込みソフトウェアの諸課題 第3章 Androidによる組込みソフトウェアの作成 第4章 Embedded Masterによる機能拡張 第5章 資料 索引 |