[欧米のデマンドレスポンス最新動向と日本での展開]
本書の概要
本書は、『スマートグリッドの核となるデマンドレスポンスの全貌2013』の改訂版として発刊するもので、主に米国におけるDRの動きをとらえ、 「DRを使う立場からのDRの定義および位置付けと、生い立ち、現状のまとめ」、「DRを使う仕組みを構築する立場からの整理、関連する標準の整理と、OpenADRの説明」、「DRの特徴と意義、課題の整理」に分けて現状を解説しています。
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本書の内容
米国では、スマートグリッドの必需品としてデマンドレスポンス(DR:電力の需給制御)が脚光を浴びています。
いわゆる電力自由化が行われる前から、米国では、DRは個々の電力会社が顧客に電力を安定供給する方策の一環として取り入れられ、その後、電力自由化で発送電分離が起こり、自前の発電設備をもたない独立系統運用機関(ISO)が系統運用を行うようになった地域では、 卸電力市場を通じて発電事業者から調達する仕組みが出現しました。
そのような米国の一部の地域では、2000年以降からDRプログラムが導入されはじめ、その中で、DRのデファクト標準としてカリフォルニア州で誕生したOpenADR1.0は、現在ではOpenADR2.0へと改良され、米国の標準から国際標準にする試みが続けられています。
一方、日本においては、2011年の3.11以降、「日本ではDRは不要」という評価が180度変わり、急遽、政府も電力会社も、さらにはBEMSアグリゲータという新たな事業者までもが、DRに取り組む姿勢を見せています。
しかし、日本における電力システム改革はいまだ進行中であり、まだ最終的な形は見えていません。そのため、DR資源が参加できる容量市場や、リアルタイム市場、アンシラリーサービス市場ができあがるのかどうか、今後の動向を見ていく必要があります。
本書は、『スマートグリッドの核となるデマンドレスポンスの全貌2013』の改訂版として発刊するもので、主に米国におけるDRの動きをとらえ、 「DRを使う立場からのDRの定義および位置付けと、生い立ち、現状のまとめ」、「DRを使う仕組みを構築する立場からの整理、関連する標準の整理と、OpenADRの説明」、「DRの特徴と意義、課題の整理」に分けて現状を解説しています。
目次
1.1 従来の電力需給調整メカニズム
1.1.1 電力供給側での需給調整メカニズム
1.1.2 電力需要側での需給調整メカニズム
1.2 デマンドレスポンスの定義とDRプログラムの分類
1.2.1 電気料金ベースのDRプログラム
1.2.2 契約/インセンティブベースのDRプログラム
1.2.3 米国のDRプログラム体系
1.3 電源の代用として拡大するデマンドレスポンス
2.1 デマンドレスポンス(DR)の起源と進展
2.1.1 DRの起源
〔1〕 SMUDのPeak Corpsプログラム
〔2〕 Gulf PowerのGoodCents Selectプログラム
2.1.2 カリフォルニア州におけるDRの進展
〔1〕 米国カリフォルニア州におけるDRの進展
〔2〕 カリフォルニア州におけるADRの足跡
2.1.3 欧州におけるDRの利用状況
〔1〕 英国におけるDR利用状況
〔2〕 アイルランドにおけるDR利用状況
〔3〕 フランスにおけるDR利用状況
〔4〕 スウェーデンにおけるDR利用状況
〔5〕 ドイツにおけるDRの進展
〔6〕 イタリアにおけるDRの進展
2.2 デマンドレスポンスプログラムの体系
2.2.1 用途からみたDRプログラムの種類
2.2.2 小売市場のDRプログラム
〔1〕 Residential Time-of-Use Schedule E-6(E-6)【2014年5月1日以降】
〔2〕 A-6 TOU(A-6)【2014年5月1日以降】
〔3〕 E-20 Primary Firm(E-20)【2014年5月1日以降】
〔4〕 Agricultural customers with moderate annual operating hours(AG-4B)【2014年5月1日以降】
〔5〕 Real Time Pricing(TOU-8-RTP)
〔6〕 SmartConnect(SC)
〔7〕 SmartRate Summer Pricing Plan(SR)
〔8〕 Peak Day Pricing(PDP)
〔9〕 PeakChoice program(PC)
〔10〕 Agricultural and Pumping Interruptible Program(AP-I)
〔11〕 SmartAC program(SA)
〔12〕 Demand Bidding Program(DBP)
〔13〕 Aggregator Managed Portfolio(AMP)
〔14〕 Base Interruptible Program(BIP)
〔15〕 Capacity Bidding Program(CBP)
2.2.3 卸市場のDRプログラム
〔1〕 緊急DR(Emergency Load Response:EmLR)
〔2〕 経済的DR(Economic Load Response:EcLR)
2.3 様々な視点から見たDRプログラムの分類
2.4 プライスレスポンシブデマンド
3.1 DRのデータモデル
3.1.1 DRイベントのデータモデル
3.1.2 DRシグナルのデータモデル
3.2 DRの通信モデル
3.2.1 DRプログラムとDRの通信モデル
3.2.2 DRシグナルの種類とDRの通信方式
3.2.3 DRシグナルの発信の仕方
3.3 DRのビジネスモデル
3.4 DRを実施するためのシステムアーキテクチャ
3.5 DR(デマンドレスポンス)に関する最新の標準
3.5.1 OpenADR
3.5.2 SEP(Smart Energy Profile)
3.5.3 IECのCIM(Common Information Model)
3.5.4 DRに関する3つの標準の関係
3.5.5 もうひとつのDRに関する標準:WEQ-015
4.1 OpenADRの開発に関連してきた組織
4.1.1 「OpenADR1.0通信仕様書」作成に関連する組織
4.1.2 「OpenADR1.0システム要求仕様書」作成に関連する組織
4.1.3 OASISのEI1.0のOpenADRプロファイル作成に関連する組織
4.1.4 OpenADR2.0プロファイルを策定したOpenADRアライアンス
4.2 OpenADR2.0のサポート範囲
4.2.1 OpenADR1.0システム要求仕様書とOpenADR2.0の関係
4.2.2 EI1.0 OpenADRプロファイルとOpenADR2.0の関係
4.3 OpenADR2.0のシステムアーキテクチャ
4.3.1 OpenADR2.0の情報伝達モデル
4.3.2 PUSH型実装とPULL型実装
4.3.3 OpenADR2.0の通信モデル
〔1〕 Simple HTTPトランスポート
〔2〕 XMPPトランスポート
〔3〕 標準セキュリティ運用
〔4〕 高度セキュリティ運用
4.4 OpenADR2.0のサービス
4.4.1 EiRegisterPartyサービス
〔1〕VTNが提供する機能の問い合わせ
〔2〕VEN情報の登録
〔3〕VTN情報の変更
〔4〕VTN情報またはVEN情報の登録抹消
4.4.2 EiEventサービス
〔1〕eventDescriptor
〔2〕eiActivePeriod
〔3〕eiEventSignals
〔4〕eiTarget
4.4.3 EiOptサービス
〔1〕Opt-InあるいはOpt-out情報の通知
〔2〕Opt-InあるいはOpt-out情報の登録抹消
4.4.4 EiReportサービス
〔1〕レポーティング機能の登録
〔2〕レポートの要求
〔3〕レポートの提出
〔4〕レポートの登録抹消
4.4.5 oadrPollサービス
〔1〕VENに渡す情報がない場合
〔2〕VENにDRイベント情報を渡す場合
〔3〕VENに何らかのレポート情報を渡す場合
4.5 OpenADR2.0プロファイル仕様の利用
4.5.1 OpenADR2.0認証パッケージ
4.5.2 OpenADR2.0製品の開発
〔1〕 oadr_20b.xsdファイル
〔2〕 oadr_ei_20b.xsdファイル
〔3〕 oadr_power_20b.xsd
〔4〕 oadr_pyld_20b.xsd
〔5〕 oadr_strm_20b.xsd
〔6〕 oadr_xcal_20b.xsd
〔7〕 oadr_emix_20b.xsd
〔8〕 oadr_siscal_20b.xsd
〔9〕 oadr_gml_20n.xsd
〔10〕 oadr_greenbutton_20b.xsd
〔11〕 oadr_ISO_ISO3AlphaCurrencyCode_20100407.xsd
〔12〕 oadr_atom.xsd
〔13〕 oadr_xml.xsd
〔14〕 oadr_xmldsig.xsd
〔15〕 oadr_xmldsig11.xsd
〔16〕 oadr_xmldsig-properties-schema.xsd
4.5.3 OpenADR2.0b製品のテスト
4.5.4 OpenADR2.0b製品の認証
5.1 日本におけるDRの評価の推移
5.1.1 日本における3.11以前のDRに対する評価
〔1〕 供給予備力
〔2〕 需要側を巻き込んだ需給調整への考え方
〔3〕 再生可能エネルギー問題のとらえ方
〔4〕 3.11以前のDRに対する評価
5.1.2 日本における3.11以降のDRに対する評価
〔1〕 供給予備力
〔2〕 需要側を巻き込んだ需給調整への考え方
〔3〕 再生可能エネルギー問題のとらえ方
〔4〕 3.11以降のDRに対する評価
5.2 DRの本質と意義
5.2.1 DRの本質
〔1〕 供給予備力
〔2〕 需要側を巻き込んだ需給調整への考え方
〔3〕 再生可能エネルギー問題のとらえ方
5.2.2 DRの意義
〔1〕 電力会社の「作る人マインド」の刷新
〔2〕 需要家の「使う人マインド」の刷新
〔3〕 ネガワットという発想の転換
〔4〕 エネルギーのインターネットという発想
5.3 日本におけるDRの現状と普及の鍵
〔1〕EiEvent:2.0aから継続した適合ルール
〔2〕EiEvent:2.0bから追加された適合ルール
〔3〕EiOpt
〔4〕EiReport
〔5〕EiRegisterParty
〔6〕一般的な適合ルール