[ビッグデータ/クラウド/IoT/通信技術/導入事例からoneM2Mまで]
本書の概要
本書では、2012年12月に誕生した新しいM2Mの国際標準化組織「oneM2M」についての最新動向をはじめ、その設立に大きな影響を与えた欧州ETSIの「TC M2M」の技術内容についても詳しく解説する。また、MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)が収集した導入事例をもとに、M2M導入のメリットやビジネスモデル、クラウドとの連携やビッグデータの処理、アーキテクチャなどについて解説する。さらに、多種多様なセンサー類や各種無線通信技術の最新の動向と使い分けなどについても紹介していく。
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CD(PDF)版:本体価格85,000円+税
本書の内容
M2MとはMachine to Machine (機械と機械の通信)略で、自動販売機やセンサー機器、無線通信機器などの様々な機器からの情報(データ)をネットワーク側(クラウド)で自動的に取り込み、価値ある情報、サービスとして提供する仕組みとして、最近では注目されている。 本書では、2012年12月に誕生した新しいM2Mの国際標準化組織「oneM2M」についての最新動向をはじめ、その設立に大きな影響を与えた欧州ETSIの「TC M2M」の技術内容についても詳しく解説する。また、注目を集めているM2M技術であるが、どう構築してよいのかわからないという声も多い。そこで、MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)が収集した導入事例をもとに、M2M導入のメリットやビジネスモデル、クラウドとの連携やビッグデータの処理、アーキテクチャなどについて解説する。さらに、多種多様なセンサー類や各種無線通信技術の最新の動向と使い分けなどについても紹介していく。
目次
1.1 M2M(Machine to Machine)における国際標準化の促進
1.1.1 ICT:「安全」から「安心」な社会を構築していく重要なツールへ
1.1.2 各企業ビジネスのスタートポイント
1.1.3 チャンスを勝ち取るための基礎情報
1.2 国際競争力強化のための標準化戦略
1.2.1 準化しない戦略、させない戦略の課題
1.2.2 標準化と知的財産の課題
1.3 これからは業際イノベーション
1.3.1 M2M/IoTの急速な進展
1.3.2 ビジネスと標準化の様変わり
1.3.3 M2MとIoT(成熟するユビキタス社会)
1.3.4 世界を制する業際イノベーション
1.4 スマートコミュニケーション世界に向けたビジネス展望の例
1.4.1 M2Mビジネスを先導していくモビリティシステム
1.4.2 ビジネス展望の例1(高齢化対応どこでもドア)
1.4.3 ビジネス展望の例2(安心安全のためのLocation-Free Energy)
1.5 欧州の戦略、米国の思惑、中韓の取組みを踏まえてスマート社会への序
1.5.1 欧州
1.5.2 米国
1.5.3 日本
2.1 M2Mネットワークとビッグデータ
2.1.1 ビッグデータとは? それを構成する具体的な中身
2.2 センサーネットワークからM2Mへ
2.2.1 M2Mのベースとなるセンサーネットワークとは
2.2.2 ユビキタスの延長線上としてのM2M
2.2.3 M2MとIoTはほぼ同義語
2.2.4 M2Mを構成する要素
2.3 M2Mで有名なコマツのKOMTRAX(コムトラックス)
2.3.1 KOMTRAXに付加価値を
2.3.2 KOMTRAXを景気予測に
2.3.3 NECの大規模プラント故障予兆監視システム
2.4 M2Mのアーキテクチャ:垂直統合型と水平統合型
2.5 垂直型アーキテクチャの限界と国際標準組織「oneM2M」の設立
2.6 垂直型アーキテクチャの経験の重要性と水平型への移行
2.7 垂直型から水平型へ移行するにはあと5年程度
2.8 M2Mを構成するセンサーデバイスとセンサーネットワーク
2.8.1 センサーデバイスの動向
2.8.2 センサーネットワークに関する動向
2.9 モバイルネットワークとM2Mの通信料金
2.10 M2Mを構成するネットワークとデバイス/システム例
2.10.1 デバイス/システムの例
2.11 ビッグデータの50%はクラウドへ蓄積
2.11.1 モバイル(無線)通信におけるM2Mのトラフィック量
2.11.2 M2Mデバイスは「1012年の5%から2017年には16.5%」へ増大
2.12 ビッグデータを活用した新たなビジネスの例
2.13 M2Mの今後の展開:重要となるM2Mの普及基盤「クラウド」と標準化
2.13.1 クラウド:M2Mの普及基盤
2.13.2 M2Mの標準化
3.1 M2Mを実現するためのネットワークに求められるもの(条件)
3.1.1 モバイルM2Mの構成イメージ:3層構成
3.1.2 M2M通信の使い分け
3.2 『M2M通信規格詳細一覧』MCPC編
3.2.1 【カテゴリーその1】公衆広域モバイル通信用規格(2㎞~全国規模):
ITS分野など、移動する端末や広く点在する対象物に適する
3.2.2 【カテゴリーその2】ローカル通信用規格(数十m~100m程度):
ゲートウェイまでの通信規格
3.2.3 【カテゴリーその3】近接通信用規格(通信距離:数cm~10cm程度):
RFタグを使った通信に最適
3.2.4 【カテゴリーその4】電力線通信用規格(有線。屋外:2㎞、屋内200m程度)
3.3 MCPCが『M2M通信規格&モジュールガイド』を公開
3.4 ローカル通信は通信コストがかからない
3.5 M2M通信に関する今後の課題
3.5.1 課題①:ローカル通信方式をどう選択するか
3.5.2 課題②:通信モジュールをどう選択するか
3.5.3 M2M通信モジュール製品の価格の課題
3.5.4 M2M通信のための3種類のタイプと選択の課題
資料1:M2M用の通信規格詳細一覧
資料2:M2M通信規格&モジュールガイド(MCPC:2013年4月4日公開)
4.1 M2Mネットワークを導入する際のチェックポイント
4.1.1 注目されるモバイルM2Mの「見えない化」
4.1.2 モバイルM2Mの通信料金の低減化の工夫と「見えない化」
〔1〕 通信費用の低減化を工夫する方法
〔2〕 通信に伴う4つの見えない化の工夫
4.2 M2Mサービスにおける回線契約や通信料金の「見えない化」の具体例
4.2.1 「端末価格の見えない化」の事例
4.2.2 M2Mサービスにおける「端末価格の見えない化」
4.2.3 回線契約や通信料金の見えない化①回線をまとめ買いする方法
4.2.4 回線契約や通信料金の見えない化②端末価格にすべて載せてしまう方法
4.2.5 回線契約や通信料金の見えない化③プリペイド契約による方法
4.3 モバイルM2Mにおける「費用」対「効果」の関係
4.3.1 M2Mネットワークの構築にかかる費用とその効果
〔1〕 M2Mの効果:「省力化」から「増力化」へ
〔2〕 データマイニングなどの手法でビッグデータの「価値」を見出す手法
〔3〕 モバイルM2Mのシステム構築のためにかかる費用
4.3.2 どんどん低下する通信モジュールの価格
4.3.3 「ローカル処理」から「クラウド処理」へ
4.3.4 2020年に向けて大きな新市場を創造するM2M
4.4 M2Mの活用事例①:位置情報を活用したモバイル社会研究所のモバイル空間統計
4.5 M2Mの活用事例②:ウェザーニューズのポールンロボ(花粉情報の提供)
4.6 M2Mの活用事例③:震災で活躍したホンダのインターナビ・リンク
4.6.1 ホンダのインターナビ・リンクの仕組み
4.6.2 3.11の震災に活躍した通行実績マップ
4.7 M2Mの活用事例④:HEMS
4.8 M2Mの活用事例⑤:「牛温恵」の遠隔監視システム
4.8.1 牛の体温による分娩の遠隔監視システム「牛温恵」
4.8.2 遠隔監視システム「牛温恵」の仕組み
4.8.3 重要なことはタイミングよく出産の準備ができること
4.8.4 新しいビジネスへの展開
5.1 ETSI TC M2M標準仕様とoneM2Mへの展開
5.1.1 ETSI TC M2Mの設立とM2Mアーキテクチャの策定
5.1.2 注目されるETSIの「M2Mリリース1のコア標準」の3つの技術仕様
5.1.3 oneM2Mの基本的なアーキテクチャと標準化の範囲(スコープ)
5.2 TC M2M仕様【その①】:TS 102 689「M2Mサービス要求条件」
5.2.1 「ETSI TS 102 689 V1.1.5」仕様の内容
5.2.2 ユースケース
〔1〕 ユースケース技術レポート
〔2〕 Appendix(付属資料)に記載されているユースケース
5.2.3 サービス要求仕様
〔1〕 一般的なサービス要求仕様
〔2〕 管理に関するサービス要求仕様
〔3〕 機能に関するサービス要求仕様
〔4〕 セキュリティ サービス要求仕様
〔5〕 命名に関するサービス要求仕様
5.3 TC M2M仕様【その②】:TS 102 690「M2M機能アーキテクチャ」
5.3.1 M2Mのハイレベルアーキテクチャ
5.3.2 デバイスとゲートウェイドメインの構成要素
5.3.3 ネットワークドメインの構成要素
5.3.4 M2Mの機能アーキテクチャ
〔1〕 M2Mのフレームワーク
〔2〕 ネットワークドメイン内のM2Mサービス機能
〔3〕 M2Mゲートウェイにおけるサービス機能
〔4〕 M2Mデバイスにおけるサービス機能
5.3.5 M2Mフレームワークの参照点
5.3.6 M2Mでの識別とアドレシング
〔1〕 使用される識別子
〔2〕 M2Mでの識別
〔3〕 M2Mアプリケーションのアドレシング
5.3.7 M2Mセキュリティ、M2Mサービスブートストラップ、
サービスプロビジョニング、M2Mサービス接続手順
〔1〕 M2Mセキュリティフレームワーク
〔2〕 M2Mサービスブートストラップ手順
〔3〕 M2Mサービス接続手順
〔4〕 mIdセキュリティ
5.3.8 M2Mリソース管理と手順
〔1〕 RESTfulアーキテクチャのメソッドと通信の例
〔2〕 リソース構成
〔3〕 インタフェース手順
5.4 TC M2M仕様【その③】:
ETSI TS 102 921「M2M mIa, dIa, mId インタフェース仕様書」
5.4.1 TS 102 921仕様書の概要
〔1〕 仕様化の主なポイント
〔2〕 アーキテクチャの原則
5.4.2 セキュリティに関する一般概要
5.4.3 M2Mサービスの自動起動(Bootstrapping)
5.4.4 M2Mサービスの接続手順
5.4.5 mIdインタフェース上でのM2Mセキュア通信
5.4.6 本仕様書でのリソースに関する補足説明
5.4.7 SCLプリミティブ(情報要素)
5.4.8 リソースとメッセージのためのデータタイプと属性
5.4.9 セキュリティメッセージのための定義
5.4.10 付属規定(Annex)
6.1 「oneM2M」設立の背景 ─M2Mの現状と課題─
6.2 ETSIにおけるM2M標準化協調に関する動き
6.3 M2M標準化協調に関する非公式会合
6.3.1 第1回:韓国・ソウル会合(2011年7月21日)
6.3.2 第2回:米国・ワシントンDC会合(2011年8月17~18日)
6.3.3 第3回:ドイツ・ベルリン会合(2011年12月15~16日)
6.3.4 第4回:日本・東京会合(2012年3月28~29日)
6.4 合意されたoneM2Mパートナーシップの概要
6.4.1 oneM2M パートナーシップの目的および範囲
6.4.2 oneM2Mの組織構造
6.4.3 参加者の担務(義務)と権利
6.5 oneM2Mの発足およびoneM2M運営委員会第1回会合の概要
6.6 日本のTTC/ARIBのonenM2Mに関する取り組み状況
6.7 oneM2Mの標準化動向とワークプラン
6.8 oneM2Mの標準化体制〔Technical Plenary(技術総会)の構成〕
6.9 TPリーダーシップの概要(2012年12月TP#2にて選出)
6.10 各WGの所掌(担当)事項
6.11 WGリーダーシップの構成
6.12 各WGにおける主なトピックス(TP#1~#3)
6.12.1 WG1(要求条件)関連
〔1〕 TR(Technical Report、技術報告書):oneM2Mユースケースの収集
〔2〕 TS(Technical Specification、技術仕様):M2M要求条件
〔3〕 TR:Benefits of oneM2M Technology(oneM2M技術の利点)
6.12.2 WG2(アーキテクチャ)関連
〔1〕 TR: Part 1: Analysis of the architectures proposed for consideration by
oneM2M(技術報告書パート1:oneM2Mに提案されたアーキテクチャの分析)
〔2〕 TR: Part 2: Study for the merging of architectures proposed for
consideration by oneM2M(技術報告書パート2:oneM2Mでの検討のために
提案されたアーキテクチャの統合に関する研究)
〔3〕 TS: oneM2M Functional Architecture
(技術仕様:oneM2M機能アーキテクチャ)
6.12.3 WG3(プロトコル)関連
6.12.4 WG4(セキュリティ)関連
6.12.5 WG5(管理、抽象化とセマンティクス)関連
〔1〕 Technical Report: Study of Management Capability Enablement Technologies
for Consideration by oneM2Mの作成
(技術報告書:oneM2Mでの検討のための管理機能を可能にする技術の研究)
〔2〕 Technical Report: oneM2M Abstraction & Semantics Capability Enablement
の作成(技術報告書:oneM2Mの抽象化とセマンティクス機能提供を可能とする
技術に関する報告書の作成)
6.13 今後の会合スケジュール
7.1 ICTのトレンド変化とそれを支えるM2M
7.1.1 変貌をとげたICTの役割
〔1〕 CDやDVDはインターネット配信へ
〔2〕 ショッピングはネット通販へ
〔3〕 製造業やサービス業は保守・運用で付加価値を高める動きへ
〔4〕 「モノ」から「モノを使ったソリューション」へ
〔5〕 付加価値が生まれる場所の変化
〔6〕 現在のIoT/M2Mの役割
7.1.2 ICTのライフサイクルから見たトレンド
7.1.3 データを集め情報として活用する仕組みづくりとM2M
〔1〕 全体を見た方針、活用シナリオの策定
〔2〕 「ポジティブなつぶやきか」「ネガティブなつぶやきか」
〔3〕 収集上のポイント
〔4〕 現在活用が進んでいるWeb上の情報
〔5〕 日本企業に利のある分野「M2M」
〔6〕 全世界の4分の1のセンサーを使用する日本
7.2 M2Mビジネスの成功に必要なこと
7.2.1 イノベーションの本質への回帰
〔1〕 技術だけでなく、新しいアイデアが重要
〔2〕 イノベーションに有用なM2M
7.2.2 マーケットを作るストーリーメイクの発想
〔1〕 スマートシティに関するストーリーの構築
〔2〕 都市問題全体をICTで解決するスマートシティ構想
〔3〕 「ストーリーメイク」の発想
7.2.3 コンセプターの活用
〔1〕 コンセプターを中心に新規事業を考える
〔2〕 コンセプターはどのような人材か
7.2.4 グローバル展開の発想
〔1〕 クラウドサービスの展開
〔2〕 モバイル・サービスの新展開
7.2.5 トップの役割
〔1〕 情報の特徴と本質
〔2〕 情報を扱うサービスの特徴
〔3〕 M2Mによる新たな価値の創造
7.3 M2Mビジネスの成功に向けて