[次世代ウェブを創る標準技術の全容とベンダーの取り組み]
本書の概要
本調査報告書では、HTML5が指す複数の技術とその成立背景、それぞれの組織で進められているHTML5の仕様策定状況をはじめ、HTML5で新たに加わった機能とAPI、HTML5のサポートを行うブラウザーベンダーの実装状況や今後の動向などに関して、情報の集積と整理を行った。また、HTML5と比較されることの多いFlashとの関係や、モバイルウェブにおけるHTML5の動きを踏まえた関連仕様の標準化の展望も解説している。
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本書の内容
Google I/O 2009で今後の注目技術として取り上げられたことや、スティーブ・ジョブズが、アップルのiPhoneやiPadがFlashに対応しない理由として、「今後HTML5がウェブのスタンダードになるため」と発言したこともあり、HTML5は、ウェブ開発者やウェブビジネスにかかわる人に広く認知されるようになっている。HTML5は、現在も策定中であり、最終的な完成は10年以上先と言われるが、一部の機能は最新のウェブブラウザーで既に利用可能な段階にあり、先進志向のウェブアプリケーションでは採用され始めていることも、大きく注目を集める理由の1つであろう。日本でも2009年の半ばからHTML5に関する開発者コミュニティーやHTML5を取り上げる技術書が登場しており、世界的にHTML5を中心としたウェブに向かっていると言える。
しかし、HTML5は、関連仕様を含めてW3CをはじめとするさまざまなWG(ワーキンググループ)で策定が進められていることや、アップルやモジラ、マイクロソフトなどのブラウザーベンダーが独自に実装を進めていることにより、策定の現状と、今後の見通しを把握することが難しくなっている。
そこで、本調査報告書では、HTML5が指す複数の技術とその成立背景、それぞれの組織で進められているHTML5の仕様策定状況をはじめ、HTML5で新たに加わった機能とAPI、HTML5のサポートを行うブラウザーベンダーの実装状況や今後の動向などに関して、情報の集積と整理を行った。また、HTML5と比較されることの多いFlashとの関係や、モバイルウェブにおけるHTML5の動きを踏まえた関連仕様の標準化の展望も解説している。
各章の具体的な内容は下記のとおり。
■HTML5の仕様策定の現状と展望、ブラウザーベンダーの実装状況と取り組み、Flashとの関係などを解説
第1章では、HTML5の目的と仕様策定において注目すべき点について、第8章では、HTML5とCSSなどの関連仕様の策定状況と今後の展望について解説する。また、第4章では、FlashとHTML5との関係性を、第6章では、アップル、グーグル、モジラ、オペラ、マイクロソフトというブラウザーベンダーが独自に進めているHTML5への対応の状況を解説する。
■HTML5で新たに追加された主要APIをサンプルコードと表示画面を用いて解説
第3章では、HTML5で新たに追加された主なAPIであるcanvas、Video&Audio、File API、Geolocation、WebSocket、XML HTTP Request level2、ストレージ/データベース、オフライン/キャッシュについて、サンプルコードと実際の表示画面を用いながら解説を行う。サンプルコードは、CD-ROM内にもデータとして格納しており、すぐに使うことが可能。
■canvas、Videoの各ブラウザー対応一覧表を掲載
canvas、Videoについて、Firefox 3.6、Firefox 4 β2、Opera 10.6、Safari 4,5、Chrome 5、Mobile Safari、Android 1.6~2.1、IE9プラットフォームプレビュー版における対応一覧表を収録している。
はじめに 第1章 ウェブ技術の進化とHTML5 第2章 HTML5の拡張機能 第3章 HTML5で新たに追加されたAPI 第4章 FlashとHTML5 第5章 HTML5のプラットフォームとの互換性 第6章 HTML5とブラウザーベンダーの動向 第7章 HTML5とモバイル 第8章 各仕様の策定状況とロードマップ |