[BMLを拡張しHTML5のサブセットを目指す汎用仕様]
本書の概要
本書は、国連の組織である、国際電気通信連合(ITU)で勧告化され、国際的にも大きな注目を集めている「H.762」(LIME:ライム)の初めての解説書である。H.762勧告は、正式には'Lightweight interactive multimedia environment(LIME)for IPTV services'と呼ばれるが、身近な表現に言い換えると、「IPTVサービス用のマルチメディア記述言語」といえる。
本書のポイント
- ソースコード付き! 世界初のIPTV用マルチメディア記述言語規格「LIME」を解説
発売中
CD(PDF)版:本体価格85,000円+税
本書の内容
本書は、国連の組織である、国際電気通信連合(ITU)で勧告化され、国際的にも大きな注目を集めている「H.762」(LIME:ライム)の初めての解説書である。H.762勧告は、正式には'Lightweight interactive multimedia environment(LIME)for IPTV services'と呼ばれるが、身近な表現に言い換えると、「IPTVサービス用のマルチメディア記述言語」といえる。
LIME(ライム)は、日本のデジタル放送(ISDB方式)の規格である、「BML」(Broadcast Markup Language、放送用マークアップ言語。ARIB規格)を基礎にして、IPTV用の要求条件を実現するための拡張と、国際化/簡素化/明確化を行い、世界的に使用できる汎用的なIPTV用の規格として勧告化されたもの。これまで日本のISDB方式に依存して使用されていたBMLをベースに標準化されたIPTV用のLIMEは、IPTV向けだけでなく、日本のISDB方式や欧州のDVB方式、米国のATSC方式などにも適用できる可能性をもった、オープンで汎用的な規格として策定されている。
本書では、LIMEが勧告化(標準化)されるに至った経緯を、既存のBMLとの違いを対比しながら、「デジタル放送の規格であるBMLがなぜIPTV用の勧告の基礎になり得るのか」という点を明確にし、これにより、IPTV用の国際標準であるLIMEと、デジタル放送用規格として普及しているBMLの関係がよりよく理解できるようになっている。
また、BMLのもつポジティブな特徴を明確にして再評価することにより、なぜBMLがIPTVという「Webと放送の両方の要素を併せ持つサービス」のためのマルチメディア・コンテンツ・プラットフォームの基礎となり、LIMEへと進化・発展したのかも明らかにし、LIMEが、放送の厳しい要求条件をも満たしながらWeb技術の広がりを併せもち、汎用的な家電製品(テレビ端末など)のうえでリッチ・コンテンツを可能にする内容を、すでに国際的に開発された具体的なLIMEコンテンツ(サンプルプログラム)を提示しながら解説している。また、現在話題となっているHTML5との関連性も高いところから、HTML5のサブセットとしても検討され、注目されている。
はじめに 第1章 IPTVサービス向けの新国際標準 第2章 B24からLIMEへの発展と両者の違い 第3章 H.762勧告「LIME」のアーキテクチャ 第4章 H.760(MAFR)シリーズ勧告とその構成 第5章 世界各国のLIME(H.762)の取り組みとLIMEコンテンツの具体例 第6章 LIMEに関するIPTV Interopイベントを実施 |