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IPTV用の新標準「LIME」ハンドブック2010

[BMLを拡張しHTML5のサブセットを目指す汎用仕様]

本書の概要

本書は、国連の組織である、国際電気通信連合(ITU)で勧告化され、国際的にも大きな注目を集めている「H.762」(LIME:ライム)の初めての解説書である。H.762勧告は、正式には'Lightweight interactive multimedia environment(LIME)for IPTV services'と呼ばれるが、身近な表現に言い換えると、「IPTVサービス用のマルチメディア記述言語」といえる。

本書のポイント

  • ソースコード付き! 世界初のIPTV用マルチメディア記述言語規格「LIME」を解説

発売中

執筆者
川森雅仁(NTT サイバーソリューション研究所)
発行所
株式会社インプレスR&D
判型
A4判
ページ数
216P
発行日
2010/09/14
価格
CD(PDF)+冊子版:本体価格95,000円+税
CD(PDF)版:本体価格85,000円+税
カテゴリー
その他
商品コード
16362
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本書の内容

本書は、国連の組織である、国際電気通信連合(ITU)で勧告化され、国際的にも大きな注目を集めている「H.762」(LIME:ライム)の初めての解説書である。H.762勧告は、正式には'Lightweight interactive multimedia environment(LIME)for IPTV services'と呼ばれるが、身近な表現に言い換えると、「IPTVサービス用のマルチメディア記述言語」といえる。

LIME(ライム)は、日本のデジタル放送(ISDB方式)の規格である、「BML」(Broadcast Markup Language、放送用マークアップ言語。ARIB規格)を基礎にして、IPTV用の要求条件を実現するための拡張と、国際化/簡素化/明確化を行い、世界的に使用できる汎用的なIPTV用の規格として勧告化されたもの。これまで日本のISDB方式に依存して使用されていたBMLをベースに標準化されたIPTV用のLIMEは、IPTV向けだけでなく、日本のISDB方式や欧州のDVB方式、米国のATSC方式などにも適用できる可能性をもった、オープンで汎用的な規格として策定されている。

本書では、LIMEが勧告化(標準化)されるに至った経緯を、既存のBMLとの違いを対比しながら、「デジタル放送の規格であるBMLがなぜIPTV用の勧告の基礎になり得るのか」という点を明確にし、これにより、IPTV用の国際標準であるLIMEと、デジタル放送用規格として普及しているBMLの関係がよりよく理解できるようになっている。

また、BMLのもつポジティブな特徴を明確にして再評価することにより、なぜBMLがIPTVという「Webと放送の両方の要素を併せ持つサービス」のためのマルチメディア・コンテンツ・プラットフォームの基礎となり、LIMEへと進化・発展したのかも明らかにし、LIMEが、放送の厳しい要求条件をも満たしながらWeb技術の広がりを併せもち、汎用的な家電製品(テレビ端末など)のうえでリッチ・コンテンツを可能にする内容を、すでに国際的に開発された具体的なLIMEコンテンツ(サンプルプログラム)を提示しながら解説している。また、現在話題となっているHTML5との関連性も高いところから、HTML5のサブセットとしても検討され、注目されている。

はじめに

第1章 IPTVサービス向けの新国際標準
=「LIME」登場の歴史的な背景=

1.1 LIMEの登場とMHEG-5/BMLの歴史的な相関関係
1.1.1 MHEG-5標準で仕様の作成を検討
1.1.2 MHEG-5コンテンツの構成
1.1.3 MHEG-5をベースにしつつB24規格を作成へ
1.1.4 MHEG-5とB24の関係
1.2 IPTV規格がHTMLではなく、BMLをベースにすることになった理由
1.2.1 LIME策定のきっかけはB24(ARIBが規定)
1.2.2 HTMLによるブラウザの問題点(その1):2つのブラウザを比較する
1.2.3 HTMLによるブラウザの問題点(その2):3つのブラウザを比較する
1.3 2006年に日本から「IPTV用BML」をITU-Tに提案
1.3.1 B24という制限の多い枠組みを採用した理由
1.3.2 LIMEの規格をB24ベースで策定することになった4つの理由
1.4 ブラジルが提案したLIMEという名称
1.4.1 BMLが何を指しているのか曖昧である!
1.4.2 名称「LIME」に決定:ブラジルの「PUC-Rio」大学が発案
1.4.3 B24:仕様が複雑で難解であった
1.5 LIME:B24を参照しながらも国際的にオープンでシンプルな標準に

第2章 B24からLIMEへの発展と両者の違い
=汎用的なIPTVコンテンツ記述言語用のLIME=

2.1 B24への誤解と批判
2.1.1 オープンなWeb技術の国際標準HTMLと対比されたB24
2.1.2 「どれがBMLなのか」特定しにくい
2.1.3 世界で一番普及しているB24
2.2 B24(BML)とLIMEはどこが違うのか
2.2.1 ブラジルでのISDB採用と「GINGA-NCL」仕様の作成
2.2.2 LIMEを構成する4つのコンポーネント
2.2.3 LIMEは複数の規格に対応できる標準
2.3 冗長性と曖昧性の2つを解決したLIME
2.3.1 求められた表示画面の安定性
2.3.2 多様なブラウザの登場とコンテンツの安定的な表示
2.3.3 Webコンテンツ(HTML)の「BML化」への流れ
2.4 Webページ作成で推奨されるプラクティス

第3章 H.762勧告「LIME」のアーキテクチャ
=LIME-HTML/CSS/DOM/Script=

3.1 ITU-T H.762 - LIMEのアーキテクチャ
3.2 Ajaxの登場と非同期通信のインパクト
3.2.1 非同期通信と同期通信
3.2.2 AjaxによるGoogleマップ(非同期通信)のインパクト
3.2.3 デジタル放送におけるインタラクティブ・コンテンツの提供
3.2.4 Web(Ajax)の機能と放送(LIME)の機能の接近
3.3 スタティックなLIMEとダイナミックなLIME
3.4 <LIMEその1> LIME-HTML
3.4.1 LIME-HTMLのタグ
3.4.2 LIME-HTML(Simple XHTML)の詳細
3.4.3 LIME-HTMLのイベント
3.5 <LIMEその2> LIME-CSS
3.5.1 CSSによるスタイルの指定の仕方
3.5.2 LIME-CSSでの色指定
3.5.3 リモート・コントロール用の属性:フォーカスとナビゲーション
3.6 <LIMEその3>LIME-DOM
3.7 <LIMEその4>LIME-Script〔ECMAScript(ECMA262)〕
3.7.1 ECMAScriptのサブセット
3.7.2 LIME-Scriptが制限されている理由
3.7.3 LIME-Scriptの文法と基本オブジェクト
3.7.4 サーバと連携したLIMEコンテンツ
3.7.5 JSPを利用したLIME

第4章 H.760(MAFR)シリーズ勧告とその構成
=LIMEからGINGA-NCLまで=

4.1 ITU-T H.760シリーズ(MAFRシリーズ)勧告の構成
4.1.1 H.IPTV-MAFR.13(HTML for IPTV)
4.1.2 H.IPTV-MAFR.4(CSS for IPTV)
4.1.3 H.IPTV-MAFR.6(ECMAScript for IPTV)
4.1.4 H.IPTV-MAFR.5(DOM for IPTV)
4.1.5 H.IPTV-MAFR.14(Lua for IPTV)
4.1.6 H.IPTV-MAFR.10(SVG for IPTV)
4.1.7 H.IPTV-MAFR.8(MHEG-5 for IPTV)
4.2 H.761勧告:IPTV用Ginga(ジンガ)-NCL
4.2.1 GINGA-NCLはグルー言語
4.2.2 GINGA-NCLはデフォルトでLIMEを参照
4.3 モバイル端末向けのIPTVサービスにも対応するMAFRシリーズ
4.3.1 モバイル端末への実装を目指すLIME
4.3.2 Google TVとも相性がよいLIME(H.762)

第5章 世界各国のLIME(H.762)の取り組みとLIMEコンテンツの具体例
=ウィジェット、e-Pubからブラウザまで=

5.1 世界各国のLIMEへの取り組みの現状
5.1.1 各国のLIMEの取り組み状況①:シンガポール
5.1.2 各国のLIMEの取り組み状況②:中国・韓国
5.1.3 各国のLIMEの取り組み状況③:欧州におけるEBU、BBCのキャンバス構想
5.1.4 各国のLIMEの取り組み状況④:ブラジルなど南米8カ国等
5.1.5 各国のLIMEの取り組み状況⑤:米国のATIS-IIF等
5.1.6 各国のLIMEの取り組み状況⑥:日本のIPTVフォーラム
5.1.7 各国のLIMEの取り組み状況⑦:海外キャリア
5.2 LIMEコンテンツの具体例 =LIMEウィジェット、e-Pubからブラウザまで=
5.2.1 LIMEコンテンツ①:LIMEのウィジェットの例
5.2.2 LIMEコンテンツ②:「MYワインセレクション」の例
5.2.3 LIMEコンテンツ③:LIMEブラウザの例
5.2.4 LIMEコンテンツ④:e-Pub(電子出版)コンテンツの例
5.2.5 LIMEコンテンツ⑤:UGC(ユーザーが作成したコンテンツ)の例

第6章 LIMEに関するIPTV Interopイベントを実施
=HTML5との共存・融合が期待されるLIME=

6.1 LIMEに関するIPTV Interopイベントの背景とその概要
6.2 IPTV Interopイベントにおける具体的な展示内容
6.3 LIME-CSS AcidTestとその表示結果の例
6.4 HTML5との共存・融合で相乗効果を目指すLIME
6.5 マルチメディア言語系(MML)とテキスト系言語(TML)の違い
6.6 ITUにおけるLIMEの標準化の課題と今後の展開
 
索引