本書の概要
そこで本書では、標準化と特許の歴史から振り返り、それが時代とともにどのように変遷してきたかを見ることによって、私たちが置かれた現状に対する理解を進めたうえで、「IT」「エレクトロニクス」「通信」「エネルギー環境」等の産業技術分野において標準化が今後、企業にとってどのような意義をもつのかを考えます。
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CD(PDF)版:本体価格85,000円+税
本書の内容
国際的に、標準化/特許/知的財産が、国や企業、大学などの今後の展開に大きな影響を与えるキーワードとして注目を集めています。そのようななか、特許を収益につなげる知的財産戦略が浮上しています。
標準化は今や企業にとって特許や知的財産と同様に重要な戦略ツールであり、すべての企業が取り組む必要がある課題です。標準化によって市場が海外にも広がり、企業の収益規模が大きく拡大する可能性があります。ただし、標準化だけでは不十分であり、もしその分野に特許が多く含まれる場合には、特許も十分に取得している必要があります。そうでないと、特許の排他効果によって市場から退場させられることになるからです。しかし現状では、日本企業は十分に標準化をツールとして活用できていないのが実情です。
そこで本書では、標準化と特許の歴史から振り返り、それが時代とともにどのように変遷してきたかを見ることによって、私たちが置かれた現状に対する理解を進めたうえで、「IT」「エレクトロニクス」「通信」「エネルギー環境」等の産業技術分野において標準化が今後、企業にとってどのような意義をもつのかを考えます。
また、標準化の場にはどのようなものがあるのか、諸外国は標準化にどのようにとり組んでいるのか、さらに特許をはじめとする知的財産と標準化の関係は何か、政府と大学の役割は何かなどを考えたうえで、日本企業が今後どのように標準化にとり組むべきかについて考えます。
日本は、2011年3月に千年に一度という大震災に見舞われ、これからの復興という想定外の課題を負ってしまいました。このような時こそ、日本の産官学の全体がシナジーを発揮できるように大きく変化することによって、産業を発展させることが必要です。標準化、特許および知的財産の戦略的な活用により、日本のグローバル化を達成することが復興に向けた最短の道であることを認識し、本書がその一助となる一冊として活用していただきたいと考えています。
■目次 はじめに 第1章 標準化とは、特許とは、知的財産権とは=3者の相関関係を整理する= 第2章 標準化活動の重要性と国/企業の取り組み 第3章 標準化活動と特許の関係(特許出願の仕組みと出願件数) 第4章 世界各国の標準化・特許戦略=米国から欧州、日本、中国、韓国まで= 第5章 企業における特許の利用とパテントプールの役割 第6章 今後の日本の取り組むべき課題 索引 |