[実用段階に入ったOSGi/TR-069/SEP 2とその事例]
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本書の内容
電力・エネルギー危機を背景に、スマートグリッドに対する取り組みが、国際的に加速している。とくに日本では、東日本大震災の後、被災地の復興が重要課題であり、快適で省エネ化されたスマートハウスやスマートビル、そしてスマートコミュニティへの期待が高まっている。このため、政府も計画を前倒しして、急ピッチに取り組んでおり、いよいよ実践的フェーズに入ってきた。
これらの中核をなすものが家庭のHEMS(宅内エネルギー管理システム)であり、ビルのBEMS(ビル管理システム)であり、地域のCEMS(コミュニティ管理システム)である。
本書では、まず、中核的なHEMS/BEMS/CEMSを具体化する技術の標準化動向や国内外のトライアルなどを概観し、その全体像をとらえる。
次に、エネルギー管理システム(EMS)に関連するアプリケーションプロトコルとして標準化されたSEP 2(スマートエネジープロファイル2)やTR-069(機器管理プロトコル)を解説し、EMSを実現する各種通信用半導体やミドルウェアなどの要素技術を解説する。
さらに、ホームゲートウェイ(HGW)やサービスゲートウェイ(SGW)の役割や機能、その製品動向について解説し、重要な位置を占めるOSGiについて徹底解説する。
最後に、海外と日本のスマートコミュニティ、スマートシティに関する政策動向とビジネス動向を解説している。
目次
1.1 東日本大震災以降のスマートグリッド
1.1.1 今年こそ日本版スマートグリッド元年
1.1.2 スマートメーター 5年間で急速に普及
〔1〕次世代型の電子メーター「スマートメーター」の登場
〔2〕今後5年以内に総需要の80%のスマートメーター導入へ
〔3〕スマートメーターによる新しいサービス
1.1.3 リアルタイム自動調整を可能にするスマートメーター
1.1.4 スマートグリッドとは何か
〔1〕少ない投資で電力需給のバランスを最適化
〔2〕日本で活発化するスマートコミュニティの実証実験
〔3〕国際標準化を目指して製品やシステムの開発を
1.2 スマートハウスの中核技術:HEMS
1.2.1 期待されるスマートハウスの実用化
〔1〕スマートグリッドの構成要素の最小単位:スマートハウス
〔2〕新タイプの次世代型住宅:自然熱エネルギーを利用
1.2.2 スマートハウスの構成要素とHEMSの役割
〔1〕スマートハウスの構成要素とHEMS
〔2〕HEMSにおける「見える化」機能と節電効果
〔3〕10社によるHEMSアライアンスの立ち上げ
1.2.3 スマートハウスに利用可能な標準規格
〔1〕スマートハウスの標準規格になるか?:ECHONETとJEM-A(HA)端子
〔2〕ECHONET:HEMSやスマートメーターへの対応
〔3〕JEM-A(HA)端子:ホームオートメーション制御
1.2.4 急がれる日本版スマートハウスの統一規格
1.2.5 スマートハウスの実用化の展望と方向性
〔1〕スマートハウス実証実験
1.3 スマートビルの中核技術:BEMS
1.3.1 スマートビルにおけるBEMSの役割
1.3.2 可能となってきたBEMSにおけるマルチベンダ環境
1.4 スマートコミュニティにおけるCEMSの役割
1.4.1 地域レベルで行うエネルギー管理
1.4.2 日本の優れたスマートグリッド技術を海外へ
1.5 震災以降、本格化するスマートグリッド
1.5.1 日本版スマートグリッドの必要性
1.5.2 現状の電力は送電時に44%が損失する
1.5.3 重要な動く蓄電池としての電気自動車
2.1 EMSに必要なプラットフォームの要件
2.1.1 EMSに必要なプラットフォーム
〔1〕HEMSの例:大和ハウス工業のスマートハウス向けプラットフォーム
〔2〕BEMSの例:東光電気のインテリジェント・ネットワーク・コントローラ(iNC)
〔3〕CEMSの例:日本IBMの「クラウド上の地域共通プラットフォーム」
2.1.2 スマートハウスを囲む外部/内部インタフェース
〔1〕ホームゲートウェイ
〔2〕ホームICT
〔3〕サービス
2.1.3 スマートハウスのインタフェースやサービスの課題
〔1〕スマートハウスの外部インタフェース
〔2〕スマートハウスの内部インタフェース
〔3〕スマートハウスのビジネススコープ
2.2 EMS技術/標準化動向
2.2.1 エネルギー業界の視点から誕生した技術
2.2.2 通信業界の視点から誕生した技術
2.2.3 エネルギー業界と通信業界を融合させるための技術
2.2.4 ビジネス軸に即した標準化に対する考え方
〔1〕接続機器のマルチベンダ化
〔2〕ビジネスのマルチベンダ化
〔3〕サービスのマルチベンダ化
2.3 スマートグリッドに関連する国際標準化動向
2.3.1 NIST:米国国立標準技術研究所
〔1〕EPRI:米国電力中央研究所
〔2〕SGIP:スマートグリッド相互運用性パネル
2.3.2 IEEE P2030 WGで策定された「IEEE 2030-2011」標準
2.3.3 IEC SMB SG3(スマートグリッド担当)
2.3.4 CENELEC
2.3.5 スマートコミュニティ・アライアンス
2.4 各種アライアンス/フォーラムの標準化活動
2.4.1 HomePlug Powerline Alliance
2.4.2 HomeGrid Forum
2.4.3 HD-PLC Alliance
2.4.4 ZigBee Alliance
2.4.5 Z-Wave Alliance
2.4.6 Wi-Fi Alliance
〔1〕4者が「SEP 2相互接続推進のためのコンソーシアム」を結成
〔2〕史上初となるWi-Fi SEP 2相互接続性の大規模デモを実施
〔3〕IEEE 802.11s(メッシュネットワーク)標準化が完成
2.4.7 USNAP Alliance
〔1〕異なる無線通信インタフェースを1つのアダプタで実現
〔2〕USNAP AllianceとEPRIがスマートグリッド用インタフェース規格を策定へ
2.4.8 Open Smart Grid(OpenSG)
2.4.9 ECHONET Consortium
〔1〕ISO/IECで標準化された「ECHONET」規格
〔2〕スマートハウス構築を目指した「ECHONET Lite規格」を発表
〔3〕「ECHONET機器オブジェクト」を改訂
2.4.10 Broadband Forum
2.4.11 Femto Forum
2.4.12 HomeGateway Initiative
2.4.13 OSGi Alliance
〔1〕アルカテル・ルーセントの「OSGiM2Mゲートウェイのためのソリューション」
〔2〕Orangeの「オープンホームオートメーション基盤」
2.5 スマートハウスに関連する国内/海外トライアル
2.5.1 日本企業5社:「ICTを用いた環境負荷低減」に関する実証実験
〔1〕5社による実証実験の目的と内容
〔2〕参加各社の主な実証実験の内容
2.5.2 日本企業12社:「スマートネットワークプロジェクト」に関する実証実験
〔1〕「住宅/EVネットワーク」グループ
〔2〕「EVサポートネットワーク」グループ
2.5.3 ケイ・オプティコム:宅内サービス事業「eoスマートリンク」
〔1〕宅内サービス提供の課題とケイ・オプティコムの役割
〔2〕eoスマートリンクの概要
〔3〕eoスマートリングの試験サービスの目的
〔4〕実証実験における「電力見える化サービス」の構成
〔5〕対象世帯数を750世帯に拡大
2.5.4 NTTスマイルエナジー:家庭向け省エネ支援サービス
2.5.5 ドイツ政府の国家プロジェクト「E-Energy」とドイツテレコムのコネクテッドホーム「Smart Connect」
〔1〕6地域で国家プロジェクトを展開
〔2〕スマートハウスのための管理プラットフォーム「Smart Connect」
〔3〕Smart Connectを支えるプラットフォームへの標準化
2.5.6 エリクソン:「Web Smart Home Access」プラットフォーム
〔1〕Web Smart Home Accessのイネーブラ
〔2〕遠隔管理プロトコル「TR-069」による機能の拡張
〔3〕Web Smart Home Accessのサービス事例
2.5.7 サジェムコム(Sagemcom)のスマートハウス向けプラットフォーム
2.5.8 国内/海外トライアルからの考察
2.6 事業化へ向けた技術動向の課題とその解決方法
3.1 EMS(エネルギー管理システム)に関するプロトコル
3.1.1 EMS構築に関係するプロトコルの全体像
3.1.2 SEP 2と関連する物理媒体の関係
〔1〕SEP 2の仕様要求と対象デバイス、サービス例
〔2〕SEP 2の基本構成
〔3〕SEP 2相互接続推進のためのコンソーシアムを設立
〔4〕SEP 2と物理媒体の関係
3.1.3 ユースケース:各種機器のエネルギー管理に必要なミドルウェア
〔1〕「NetFront Smart Object」の仕様
〔2〕NetFront Smart Objectの主な用途での利用例
〔3〕電力管理を行うための家電ネットワーク化、および制御
3.2 EMS(エネルギー管理システム)に関する半導体
3.2.1 IEEE 802標準を基本にした半導体の全体像
〔1〕代表的な通信規格とスマートグリッドとの関係
3.2.2 IEEE 802.11標準規格対応の半導体チップ
〔1〕Qualcomm Atherosの「AR4100」
〔2〕802.11n Wi-Fiモジュール「TWR-WIFI-AR4100」
3.2.3 ZigBee対応のモジュール
〔1〕920MHz帯への移行
〔2〕スマートハウスの実現に必要な通信インフラ
3.2.4 Z-Wave対応の半導体チップ/モジュール製品
3.2.5 PLC対応の半導体チップ/モジュール製品
〔1〕高速PLC対応の半導体チップ
〔2〕低速PLC対応の半導体チップ/モジュール
〔3〕屋外向けと屋内向けのPLCチップ
3.2.6 ユースケース:スマートハウスに必要な半導体
〔1〕マーベル社のトータルソリューション
〔2〕マーベル社が提供するソフトウェア
〔3〕マーベル社が提供するWi-Fi対応のリはレンスデザイン
〔4〕ITU-T G.hn標準規格と対応LSI
3.3 EMS構築に必要なプラットフォーム・ソフトウェア
3.3.1 TR-069(機器管理プロトコル)の基本仕様と特徴
〔1〕TR-069を搭載した通信機器の利点
〔2〕TR-069(機器管理プロトコル)の基本仕様
〔3〕TR-069で提供される遠隔設定RPC
〔4〕ACS(Auto Configuration Server)の基本仕様
〔5〕ACSに関する各社の製品
3.3.2 OSGiフレームワークソフトウェア
〔1〕OSGiを搭載する通信機器の利点
〔2〕OSGiフレームワークの仕様
〔3〕プロビジョニングサーバの仕様
〔4〕OSGi/TR-069で実現するライフサイクル管理
〔5〕OSGiを用いたプラットフォームを構築する際の課題と対策
〔6〕OSGiフレームワークソフトウェアの各社製品
〔7〕OSGiを商品へ導入する際のユースケース:ホームゲートウェイの例
〔8〕OSGi対応製品の開発と企業の連携
3.3.3 OSGi、TR-069を用いたシステム構成
〔1〕エコ対応テレメタリング・システム
〔2〕IP-PBXへOSGiやTR-069を導入したシステム構築
3.3.4 ユースケース:ウインドリバーのプラットフォーム(Wind River Linux Paltform for Gateays)
〔1〕ホームゲートウェイの役割
〔2〕「Wind River Linux Platform for Gateway」の例
4.1 OSGiによるオープン・プラットフォームの仕組み
4.1.1 サービスゲートウェイの登場とその機能
4.1.2 利用するサービスとそれに対応する技術
〔1〕ネットワークサービス提供者の増加と多様化に対する課題
〔2〕具体例
4.1.3 既存プラットフォームの課題
4.1.4 既存プラットフォームの解決
4.1.5 OSGiプラットフォームの汎用化と提供する機能
4.1.6 スマートハウスにおける「プラットフォーム」の機能と役割
〔1〕スマートハウスにおけるプラットフォームの目的
〔2〕プラットフォームにおける主なサービス機能等
〔3〕各ベンダの視点からの整理
4.2 M2Mサービスプラットフォームの構成とその特徴
4.2.1 NECが提供するプラットフォーム
〔1〕低コストで実現する「M2Mサービスプラットフォーム」を開発
〔2〕ホームゲートウェイ(HGW)基盤の開発
〔3〕ホームゲートウェイ(HGW)基盤の特長
〔4〕ホームゲートウェイ(HGW)基盤の利用例
4.2.2 富士通が提供するプラットフォーム
〔1〕スマートセンシングプラットフォームの開発
4.3 ホームゲートウェイとサービスゲートウェイの役割
4.3.1 ホームゲートウェイ(HGW)の位置づけ
〔1〕ホームゲートウェイとパソコンのUSBの関係
〔2〕ホームゲートウェイの仕組み
4.3.2 ホームゲートウェイとサービスゲートウェイの役割と機能
〔1〕ホームゲートウェイとサービスゲートウェイの定義と役割
〔2〕ホームゲートウェイとサービスゲートウェイの機能
4.3.3 ホームゲートウェイ/サービスゲートウェイがスマートハウスに導入された時の効果
〔1〕サービスゲートウェイの5つのテーマ
〔2〕サービスゲートウェイを支える「OSGi」「TR-069」
4.3.4 現行システムの課題を解決:IT地震センサーシステムの例
〔1〕ITK-002:センサー内蔵タイプのITKセンサー
〔2〕AK-002 & KS-002:既存センサー接続タイプのITKセンサー
〔3〕ITKセンサーのユースケース
4.4 ホームゲートウェイとサービスゲートウェイの製品動向
4.4.1 NECアクセステクニカのホームゲートウェイ
〔1〕CEATEC JAPAN2011に登場したホームゲートウェイ
〔2〕HSEの主な仕様と機能
4.4.2 ホームゲートウェイ/サービスゲートウェイの課題とその解決策
〔1〕今後のホームゲートウェイ/サービスゲートウェイに関するポイント
〔2〕ハードウェア主体からサービス主体のビジネスへの転換
4.5 プラットフォームの導入事例
4.5.1 公表されている「プラットフォーム」サービス
〔1〕NTT東日本/NTT西日本:サービス事業者向けの「フレッツ・ジョイント」
〔2〕大和ハウス工業:HEMS制御によるスマートハウス
4.5.2 ユーザー視点から考えるサービス像
〔1〕スマートライフの未来風景/電力70%モード
〔2〕「電力70%モード」を実現するシステム構成
〔3〕ユーザー視点でのサービスイメージ
〔4〕住宅設備機器の電子カタログ運用など
4.5.3 「あるとよい」と思うサービス像
〔1〕しゃべるホームゲートウェイ(Internet of Things)
〔2〕ホームゲートウェイを利用する具体例
4.6 事業化へ向けたプラットフォーム構築の課題とその解決方法
4.6.1 サービスプラットフォームの役割
4.6.2 業種業態の連携による新事業体
5.1 スマートコミュニティ/スマートグリッドの市場規模
5.2 スマートコミュニティ/スマートシティの海外における取り組み
5.3 米国における政策動向とビジネス動向
5.4 欧州ドイツの政策動向とビジネス動向
5.5 アジアにおける政策動向とビジネス動向
5.5.1 中国のスマートグリッドプロジェクト
5.5.2 韓国のスマートグリッドプロジェクト
5.6 日本における政策動向とビジネス動向
5.6.1 4地域で「スマートコミュニティ実証事業」を展開
5.6.2 HEMS、BEMS、CEMSの目標値の設定
5.7 まとめ