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水中ドローンビジネス調査報告書2022

本書の概要

本書は、水中ドローンの定義を明確化し、市場全体の動向と今後の展望を分析した調査報告書です。土木建築やインフラ・設備点検、環境調査、水産業や公共(水難救助や災害調査)といった、さまざまな産業分野における水中ドローンの役割や活用事例、可能性や課題を明らかにしています。水中ドローンを活用した業務効率化を進めたい企業や、そうした企業に向けて水中ドローンを活用したソリューションを提供したい企業にとって、参考となる具体的な情報が網羅された1冊です。

本書のポイント

  • 産業用水中ドローンの最新の市場規模と市場展望を掲載
  • 水中・水上ドローンビジネスにおける最新動向をトピックス別に解説
  • 安全性向上や コスト削減に貢献する水中ドローン活用の現状と今後を分析
  • 水中ドローンの役割や効果、プレイヤー、 活用シーン、 業務活用の課題を整理
  • 国土交通省や水産庁など、水中ドローンビジネスに関連する省庁の最新動向を整理
  • 国内外19社の機体・パーツメーカーと製品、サービス提供事業者、関連団体を解説

発売中

執筆者

藤川理絵

藤川理絵

インプレス総合研究所

インプレス総合研究所
発行所
株式会社インプレス
判型
A4
ページ数
292P
発行日
2022/07/07
発行予定日
2022年6月30日
価格
CD(PDF)+冊子版 104,500円
 (本体 95,000円+税10%)
CD(PDF)版 93,500円
 (本体 85,000円+税10%)
ダウンロード版 93,500円
 (本体 85,000円+税10%)
カテゴリー
ドローン
ISBN
9784295014263
商品コード
501426

【お詫びと訂正】

ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。


●18ページに掲載している図表「資料 1.1.2 代表的な水中ドローン、ROV」において、以下の間違いがございました。

・左端の「FIFISH V6 PLUS(QYSEA)」の「機体サイズ(mm)」

 [誤]700 × 469 × 297

 [正]383 × 331 × 143

注目の調査結果

 ■産業用水中ドローンの市場規模は23億円、2025年度に62億円に伸長

産業用水中ドローンの市場規模と今後の予測

2021年度の日本国内の産業用水中ドローンの市場規模(販売金額)は23億円と推測されます。2022年度には前年度比25%増の29億円に拡大し、2025年度には62億円(2021年度の2.7倍)に達すると見込まれます。

2017年以降、中国や米国といった海外を中心に10万円後半から100万円程度で購入可能な安価な機体が現れたことにより、国内の産業用水中ドローンの機体販売数が増加し、一部の点検事業者や水産事業者が利用し始めました。2021年には、多機能で拡張性の高い産業用水中ドローンが登場したことや水中ドローンに搭載可能な機器の登場により、産業用途に特化したカスタマイズ機体が広がりを見せ、市場が徐々に拡大してきています。

 

■拡大する水中ドローンの活用シーン

項目

水中ドローンの活用が期待される具体的なシーン

土木建築

港湾施設・漁港・洋上風力発電施設・海中ケーブルなど水中構造物建設に関する現場確認等

インフラ・設備点検

港湾施設・漁港・洋上風力発電施設・護岸・防波堤・波除堤・テトラポット・船舶・ブイ・河川・ダム・橋梁・砂防・湖沼・貯水槽・工場・プラント・発電所・工業用水管路・下水道管路・電力取水管送水管等の点検

水産業

養殖場の魚介類の生育調査、定置網や養殖場などの水中網や水族館設備の点検・清掃、魚群探査、漁礁の調査、海底生物採取、水質・環境調査等

エンターテイメント・娯楽

メディアや報道での水中映像撮影、水族館などレジャー施設での水中映像撮影、ダイビング、レジャー、釣り堀などの管理等

救助・安全管理

海水浴場・河川水辺における水難救助・捜索、台風や大雨による水害時の現場確認および水難救助・捜索、海難救助・捜索、沈没船捜索および状況確認、潜水士安全対策、水中作業現場の状況確認等

学術調査・研究

水中の環境観測、水質・環境調査、生態調査、地質学調査、海底地形図調査、考古学調査、沈没船調査、海底生物採取等

出所:著者作成

【図表2】 水中ドローンの活用が期待されるシーン

水中ドローンは潜水士の作業の代替、または作業を補助するツールとして、土木建築やインフラ設備点検、水産業に加え、エンターテイメントや救助・安全管理などの公共分野、学術調査など、様々な領域での活用が期待されています。

現在、水中ドローンの活用は土木建築事業者や点検事業者、水産事業者が中心となっており、港湾、漁港、海岸、発電所、ダム、河川などにある設備の水中構造物の点検や、定置網や養殖場の調査点検などで先行して始まっています。特に老朽化が進んでいる国内の河川や港湾施設などのインフラ・設備点検において、作業を効率的に行えるツールのひとつとなりつつあります。

2021年以降、産業用途に特化し、ソナー等のセンサー類やロボットアームなどの幅広い周辺機器を搭載できる、高性能かつ拡張性の高い水中ドローンが登場したことで、様々な産業分野で導入が加速し、用途も広がってきています。以前は難しかった濁度が高い水域や流れの強い環境への対応も可能になってきているほか、事例としてはまだ少ないものの、潜水士の代替として清掃や採水、採泥を行うなど、より高度な活用が始まっています。

2023年以降は、洋上風力発電施設の点検作業や、藻場をはじめとするブルーカーボン生態系の保全と創造に向けた取り組みなど、新たな領域での利用が広がっていくことが見込まれます。今後、様々な事業者が水中ドローンの利用を進めていくなかで、水中ドローンの用途の開拓と技術開発が進み、水中ドローンの導入は一気に加速するとみられます。

本リリースの調査結果を利用される場合は、出所の明記をお願い致します。
出所表記例:「インプレス総合研究所『水中ドローンビジネス調査報告書2022』」

本書の内容

本書は、水中ドローンの定義を明確化し、市場全体の動向と、今後の展望を分析した調査報告書です。

現在、空飛ぶドローンを制御する技術の応用によって生まれた、小型のROV(Remotely Operated Vehicle)が、点検や調査などの用途で使われています。本書では、深度十数mから100m程度の比較的浅い水域において有線で遠隔操縦できる、空中重量100kg程度まで、機体サイズ長辺40cmから1m程度までのROVを「水中ドローン」と定義しています。この数年で産業用途に特化した機体が相次いで登場したことで、水中ドローンの活用は、海洋土木建築やインフラ・設備点検、環境調査、水産業や公共(水難救助や災害調査)といった様々な産業分野において拡大しています。また、国や業界団体による普及啓発に向けた取組みも活発化しています。

本書は、水中ドローン市場の現状と今後の展望を分析した調査報告書です。

第1章の「水中ドローンビジネスの現状」では、産業用水中ドローンの市場規模や、水中ドローンの価値や効果、活用が期待されるシーン、プレイヤーの整理、業務活用の課題などをまとめています。

第2章の「水中・水上ドローンの最新トピックス」では、水中ドローン・水上ドローン業界における最新動向について、2021年度に目立ったトピックスを中心に解説します。

第3章の「産業分野・用途別の動向」では、「海洋土木建築」「インフラ・設備点検」「水産業」「公共(遭難救助や災害調査)」「環境調査」の5分野について、水中ドローン活用の現況、水中ドローン活用のメリットや特長、課題、今後の展望などを分析します。

第4章「各省庁の動向」は、水中ドローンに関係する省庁の動向を解説します。

第5章「企業動向」は、国内外の水中ドローン機体・パーツメーカー19社、サービス提供事業者7社、業界団体4団体の動向を解説します。

目次

第1章   水中ドローンビジネスの現状

1.1   水中ドローンの定義と分類
1.1.1    水域で働くロボット
1.1.2    本書で取り扱う水中ドローン
1.1.3    水中ドローンの歴史
1.1.4    水上ドローンとは
1.2   水中ドローンの役割と価値について
1.2.1    水中ドローンの有用性
1.2.2    水中ドローンの価値と効果
1.2.3    水中ドローン活用による効果
1.2.4    水中ドローンの活用が期待されるシーン
1.2.5    水中ドローンが活躍するフィールド
1.3   水中ドローンが期待される背景
1.3.1    海・河川水辺のインフラ老朽化
1.3.2    離島振興
1.3.3    環境課題
1.3.4    潜水士の高齢化と人手不足
1.4   水中分野におけるプレイヤー
1.4.1    ハードウェア提供事業者
1.4.2    サービス提供事業者
1.4.3    利用者
1.4.4    業界団体・省庁
1.5   産業用水中ドローンの市場規模と今後の展望
1.6   業務活用の課題
1.6.1    水中固有の障害
1.6.2    ハードウェアが抱える問題
1.6.3    オペレーションでの困難
1.6.4    水中ドローンを対象とする法律・ルールの未整備
1.7   法律と海・河川のルール
1.7.1    抵触する可能性がある法律
1.7.2  ガイドライン、マニュアル

第2章 水中・水上ドローンの最新トピックス

2.1    「海における次世代モビリティに関する産学官協議会」開催
2.2    水中ドローンの最新トピックス
2.2.1    技術革新と現場活用が進んだ水中ドローン4機種
2.2.2    ジュンテクノサービス「NETIS」へ保全点検技術を登録
2.2.3    NTTドコモ5Gを活用した遠隔制御、スマート水産支援を強化
2.2.4    KDDI「水空合体ドローン」発表、洋上風力など沖合の需要を見据える
2.2.5    濁った水中を可視化する「イメージングソナー」は必須に
2.2.6    水中ホバリング技術が登場
2.2.7    次世代育成活動が活発化
2.2.8    水中ドローン保険の提供
2.2.9    日本ROV協会が発足、有する機能ごとに機体をクラス分け
2.2.10    AUVを用いた点検サービス開始へ
2.3    水上ドローンの最新トピックス
 

第3章 産業分野・用途別の動向

3.1    海洋土木建築
3.1.1    現況
3.1.2    従来の手法
3.1.3    水中ドローン活用の現況
3.1.4    水中ドローン活用のメリット・特長
3.1.5    水中ドローン活用におけるハードル
3.1.6    今後の展望
3.2    インフラ・設備点検
3.2.1    現況
3.2.2    従来の手法
3.2.3    水中ドローン活用の現況
3.2.4    水中ドローン活用のメリット・特長
3.2.5    水中ドローン活用におけるハードル
3.2.6    今後の展望
3.3    水産業
3.3.1    現況
3.3.2    従来の手法
3.3.3    水中ドローン活用の現況
3.3.4    水中ドローン活用のメリット・特長
3.3.5    水中ドローン活用におけるハードル
3.3.6    今後の展望
3.4    公共(遭難救助や災害調査)
3.4.1    現況
3.4.2    従来の手法
3.4.3    水中ドローン活用の現況
3.4.4    水中ドローン活用のメリット・特長
3.4.5    水中ドローン活用におけるハードル
3.4.6    今後の展望
3.5    環境調査
3.5.1    現況
3.5.2    従来の手法
3.5.3    水中ドローン活用の現況
3.5.4    水中ドローン活用のメリット・特長
3.5.5    水中ドローン活用におけるハードル
3.5.6    今後の展望
3.6    その他

第4章 各省庁の動向

4.1    全体的な動向
4.2    国土交通省
4.3    経済産業省
4.4    農林水産省
4.5    水産庁
4.6    海上保安庁

第5章 企業動向

5.1   機体・パーツメーカー
5.1.1    FullDepth
5.1.2    広和
5.1.3    QYSEA(CFD販売)
5.1.4    Blue Robotics
5.1.5    CHASING
5.1.6    Deep Trekker
5.1.7    Blueye
5.1.8    JOHNAN
5.1.9    Notilo Plus
5.1.10  SUBSEA TECH
5.1.11  Boxfish Research
5.1.12  Saab Seaeye
5.1.13  キュー・アイ
5.1.14  GNOM
5.1.15  Oceanbotics
5.1.16  SEAMOR Marine
5.1.17  Blueprint Subsea
5.1.18  TriTech
5.1.19  WaterLinked
5.2   サービス提供事業者
5.2.1    東京久栄
5.2.2    ジュンテクノサービス
5.2.3    セキド
5.2.4    スペースワン
5.2.5    大林組
5.2.6    NTTドコモ
5.2.7    KDDI
5.3   業界・関連団体
5.3.1    JAMSTEC
5.3.2    水中ドローン協会
5.3.3    日本ROV協会
5.3.4      ALANコンソーシアム    283

著者紹介

藤川理絵

執筆者名
藤川理絵
肩書き
ライター・キャリアコンサルタント

新卒でリクルート入社、11年勤務。メディア編集やウェブマーケティングを経て、2015年より「テクノロジーによる働き方の変容」をテーマに、ドローン、モビリティ、ロボティクス、スマートシティ、XRなど、X-TECH領域を幅広く取材、ITやビジネス系ウェブメディア向けに執筆している。連載コラム「藤川理絵の水中ドローン最前線」(ドローンジャーナル)、連載キャリアコラム[空150mまでのキャリア〜ロボティクスの先人達に訊く](DRONE)を執筆中。国家資格キャリアコンサルタントとしてキャリア支援も行っている。

インプレス総合研究所

執筆者名
インプレス総合研究所

インプレスグループのシンクタンク部門として2004年に発足。2014年4月に現在の「インプレス総合研究所」へ改称。インターネットに代表される情報通信(TELECOM)、デジタル技術(TECHNOLOGY)、メディア(MEDIA)の3つの分野に関する理解と経験をもとに、いまインターネットが起こそうとしている産業の変革に注目し、調査・研究およびプロフェッショナル向けクロスメディア出版の企画・編集・プロデュースを行っている。メディアカンパニーとしての情報の吸収力、取材の機動力を生かし、さらにはメディアを使った定量調査手法と分析を加えて、今後の市場の方向性を探り、調査報告書の発行、カスタム調査、コンサルティング、セミナー企画・主催、調査データ販売などを行っている。