インプレス総合研究所は、新産業調査レポート『データセンター調査報告書2017』(https://book.impress.co.jp/books/1117501008)を2017年10月2日(月)より発売いたします。
本書は、インプレスの専門メディア『クラウド&データセンター完全ガイド』による監修のもと、データセンターの市場動向、サービス動向、テクノロジー動向、データセンター事業者の意向、ユーザー企業の利用動向と採用検討担当者の意向と現場の実態などをまとめた調査報告書です。2007年に第1回目のレポートを発行し、今年で11年目を迎えました。2000年の創刊以来、クラウド&データセンター完全ガイドが蓄積してきた資料・データや知見をもとに、過去から現在に至るデータセンター市場・産業の変遷から将来に向けた動向予測までを網羅しています。
[データセンター事業者における現状・意向調査 注目の調査結果]
パブリッククラウド型IaaSサービスをすでに提供している事業者は65%(図表1)で、2016年度調査から15ポイント増加。ハイブリッドクラウド型IaaSを提供している事業者は55%で、同17ポイントの増加。ホステッドプライベートクラウド型IaaSを提供している事業者は65%で、同19ポイント増加している。このように、3形態のIaaSいずれも提供率が伸びている。また、提供にデータセンターが必要な他の2つのサービス(VDI、SaaS)も提供率は伸びており、調査5項目すべてで提供率が伸びている。この結果からは、データセンター事業者がユーザー企業のクラウドニーズに積極的に応えたことや、ハウジングからIaaS、VDIサービス、SaaSへと、クラウドの各レイヤにサービスをシフトしていることがうかがえる。
【図表1. データセンター事業者のクラウドへの取り組み状況】
[データセンター利用企業における現状・意向調査 注目の調査結果]
ユーザー企業がデータセンター事業者に強化してほしい点(図表2、複数回答可)では、「クラウドサービス」が48%で最も高く、「IT的セキュリティ」の43%、「物理的セキュリティ」が39%で続いている。今年の調査でトップとなった「クラウドサービス」は、2016年度調査では次点であり、ユーザー企業のクラウドニーズがより高まっていることがうかがえる。ほかには、強化してほしいトップ3の顔ぶれは2016年度調査と同じであるが、「BCP/DR」や「ビッグデータ」などのニーズも高くなってきている。
【図表2. データセンターに強化して欲しい点(複数回答)】
クラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaSのいずれか)をすでに利用している、あるいは利用意向のあるユーザー企業を対象に、拡大や縮小などの今後の利用見込みも尋ねている(図表3)。結果を見ると、「拡大する見込み」と答えた企業が49.2%で最も多く、「現状維持の見込み」(39.7%)がこれに続いた。ユーザー企業ではクラウドサービスを利用することへの意欲が高いことが表れている。一方、「縮小する見込み」または「一部はオンプレミスに戻す見込み(クラウドサービスの利用を中止)」は合わせて9.0%にとどまった。少数ではあるが、クラウドを利用してみた結果、期待した効果が得られなかったと考えるユーザー企業がこの割合存在する。
【図表3. クラウドへの取組の今後の拡大見込み】
[採用検討企業担当者への調査 注目の調査結果]
ユーザー企業がデータセンターのハウジングサービスを探している期間中に、採用ないしは検討したITサービスを尋ねたところ、(図表4、複数回答)、「Amazon Web Services」(43%)と「Microsoft Azure」(29%)が2トップで、「Google Cloud Platform」(16%)がそれらに続いた。つまり、ハウジングを検討するユーザー企業の約半数がIaaSを同時に検討・採用していることになる。また、「データバックアップサービス」という回答が11%あり、自社データのバックアップが現在でもデータセンター利用の目的になっていることを示している。
探しているデータセンターの利用目的(図表5)では、「自社従業員利用」(45%)が最多で、「自社ブランドによる社外サービス提供(ECや情報提供、SaaSなど)」(21%)が続く。この結果は、メインの利用目的が、2000年初頭に顕著だったECサイトや情報・サービス提供サイト、企業コーポレートサイト設置といった需要から、ユーザー企業の従業員が使う社内システムへと移り変わっていることを示すものだ。
【図表4. データセンター検討者が同時に採用・検討したITサービス(複数回答)】
【図表5. データセンター利用目的】
<<調査概要>>
■データセンター事業に関する意向調査
目的 :データセンターサービス事業者における、大手クラウドサービスとの連携やパブリック/ハイブリッド/ホステッドプライベート/SaaSといったクラウドサービスやVDIサービスの提供状況、ファシリティ保有状況と今後の調達意向、今後の事業の方向性や戦略(投資状況や事業継続性)などについての動向把握
調査対象 :株式会社インプレスが発行する専門メディア「クラウド&データセンター完全ガイド」が保有しているデータセンターサービス事業者191社の担当者
有効回答数 :55社
調査手法 :Webアンケート
調査期間 :2017年8月22日(火)~9月5日(火)
調査企画・実施 :株式会社インプレス インプレス総合研究所
■データセンター担当者への実態調査
目的 :データセンターを利用中のユーザー企業における利用動向把握
調査対象 :NTTコム リサーチの保有する消費者モニター
有効回答数 :223サンプル
調査対象 :勤務先においてデータセンターを利用していて、データセンターの選定や決定に関与する個人
調査手法 :Webアンケート
調査期間 :2017年8月23日(水)~29日(火)
調査企画 :株式会社インプレス インプレス総合研究所
調査実施 :NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
■データセンター採用検討企業担当者への調査
目的 :データセンターサービスを実際に採用するタイミングの検討担当者に対しアンケート調査を行い、比較・検討・採用決定現場の動向把握
調査対象 :株式会社インプレスが運営する専門メディア「クラウド&データセンター完全ガイド」のWebサイト(https://dc-cloud.impress.co.jp/)で提供している「データセンター資料請求・見積依頼」サービス利用者(2015年7月~2017年8月)
有効回答数 :76サンプル
調査手法 : Webアンケートフォーム
調査期間 :2017年8月9日(水)~8月29日(火)
調査企画・実施 :株式会社インプレス インプレス総合研究所
<<構成・各章の概要>>
第1章 市場概況
『クラウド&データセンター完全ガイド』が日々のニュースや業界トレンド、取材活動で得た情報などのナレッジをもとに、データセンター市場に関する最新動向・トピックスを「ビジネストレンド」と「テクノロジートレンド」に分けて解説している。
第2章 データセンターサービス分析
国内データセンターサービス191事業者に対し、それぞれのデータセンターの基本スペックや主要サービス、付加価値オプション、特徴などを調査し、多角的に分析している。最新データの分析に加え、2013年から2017年までの時系列分析も掲載している。
第3章 データセンター事業に関する意向調査
データセンター事業者に対して、大手クラウドサービスとの連携やハイブリッドクラウド、VDIサービス、ファシリティの保有状況、事業の今後の方向性や戦略(投資状況や事業継続性)について意向調査を実施し、その結果をまとめている。
第4章 利用企業動向調査
データセンター利用企業を対象とした調査結果を掲載。2017年8月に利用企業担当者223人を対象に調査を実施。データセンターの利用状況や選定理由、支払っている金額、サービス満足度、満足だった点、不満だった点などを尋ね、その結果をまとめている。
第5章 資料請求・見積依頼者への追跡調査
『クラウド&データセンター完全ガイド』Webサイトで提供中の「データセンター資料請求・見積依頼」サービス利用者に対して追跡調査を実施し、76名から有効回答を得た。調査では、サービス利用後のデータセンター採用状況、予算、採用時に重視した点、採用にあたってのハードル、採用と同時に検討したITサービス(AWSをはじめとするクラウドサービス)などを尋ね、その結果をまとめている。
第6章 データセンターサービス一覧
国内データセンターサービス191事業者の連絡先、サービス仕様、特徴などを一覧できる「データセンターカタログ」(第2章のデータリソース)
<<調査報告書の製品形態および販売に関するご案内>>
■調査報告書の製品形態、および販売に関するご案内
書名 :データセンター調査報告書2017
監修 :クラウド&データセンター完全ガイド
著・編 :インプレス総合研究所
発行所 :株式会社インプレス
発売日 :2017年10月2日<予約受付中>
価格 :CD(PDF)版 160,000円(税別)
CD(PDF)+冊子版 170,000円(税別)
判型 :A4判
ページ数 :372ページ
詳細やご予約は「インプレスブックス」でご確認ください。https://book.impress.co.jp/books/1117501008
本調査結果を利用される場合は、出所の明記をお願い致します。
出所表記例:「インプレス総合研究所『データセンター調査報告書2017』」
以上