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大規模化/高効率化/ネットワーク強化/DC施設も所有から利用へ クラウド併存時代のデータセンター「生き残り」策を分析 『データセンター調査報告書2019』 1月24日発行

2019.01.21
調査結果

インプレスグループでIT関連メディア事業を展開する株式会社インプレス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小川 亨)のシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、新産業調査レポート『データセンター調査報告書2019[クラウド併存時代のデータセンター「生き残り」策]』(https://research.impress.co.jp/dc2019)を2019年1月24日(水)より発売いたします。

本書は、インプレスの専門メディア『クラウド&データセンター完全ガイド』による監修のもと、データセンターの市場動向、サービス動向、テクノロジー動向、データセンター事業者の意向、ユーザー企業の利用動向と採用検討担当者の意向と現場の実態などをまとめた調査報告書です。2007年に第1回目のレポートを発行し、今年で12回目を迎えました。

データセンターでは、以前より進展しているハードウェアの高性能化と小型化(高密度化)により、1ラックあたりの消費電力が増大しています。しかし、データセンターのIT供給電力総量は簡単に増やせないため、開設が古く、供給電力量が小さいデータセンターにおいては、ユーザー企業の電力要望に応えられないなど「老朽化データセンター」が業界全体としても課題になってきています。

加えて、ユーザー企業ではITインフラのクラウド移行が進み、データセンターは料金の面においてもクラウドと比較されることが一般的になってきています。そのため、データセンター事業者では、老朽化データセンターや、規模が小さかったりPUE値が悪かったりなどの非効率でコスト高なデータセンターを閉鎖したり、閉鎖した上で新設するなどの事例が数年前から増えてきています。

このような中、本年度版では初めてデータセンター市場の地域性に着目し全国を7地域に分けて、ラック月額料金、データセンター新設と閉鎖状況、その地域の市場特性等をそれぞれ分析しています。加えて、大規模化/高効率化/ネットワーク強化など、調査から見えてきたデータセンター事業者各社の生き残り策を分析しています。また、「データセンター不動産への投資に注目が集まっている理由」、「日本においても年間平均pPUE 1.1xを実現し得る間接蒸発冷却式空調システムの概要とその可能性」について、識者からの寄稿を掲載しています。

その他、データセンター事業者を対象とした現状・意向調査、ITインフラユーザー企業における現状・意向調査、データセンター採用検討企業担当者への調査の3種類のアンケート調査結果を掲載しています。加えて、「データセンターサービス分析」では、国内市場で提供されているデータセンターサービスについてスペックや価格を多角的に分析しています。

巻末付録として、都道府県別のデータセンター拠点一覧とデータセンターサービス一覧を掲載しています。

本書は、2000年の初回発行以来、クラウド&データセンター完全ガイドが蓄積してきた資料・データや知見をもとに、過去から現在に至るデータセンター市場・産業の変遷から将来に向けた動向予測までを網羅しています。データセンター事業者がデータセンター新設・営業戦略を立案する上で有用なデータと分析を提供します。

 

[新設データセンターに関する注目の調査結果]

日本国内に存在する全データセンターについて、平均のラック規模を開設年次でまとめると(図表1)、2017年以降に開設・開設予定のデータセンターが大規模化している状況が読み取れます。

図表1. 開設年次別 国内データセンター平均ラック規模

※2019年のデータは、2018年11月25日時点で発表されているデータセンターまでを対象としている
※ラック規模が不明なものはサーバールームなどの面積からモデル化して算出している

【図表1. 開設年次別 国内データセンター平均ラック規模】

 

[データセンター事業者における現状・意向調査 注目の調査結果]

 大手クラウドサービスとの専用接続サービス(複数回答)を見ると、「AWS Direct Connect」が30%(18事業者)と最も高く、「Microsoft Azure ExpressRoute」が18%(11事業者)と続きます。両サービスとも昨年、一昨年より増加しており、大手クラウドサービスとの専用接続を提供するデータセンター事業者が増加傾向となっています。

図表2. 提供している大手クラウドサービスとの専用接続サービス(複数回答)

【図表2. 提供している大手クラウドサービスとの専用接続サービス(複数回答)】

 データセンター事業者が近年に取り組んでいること(複数回答、図表3)では、「回線・接続/インターネットエクスチェンジ/データセンター間接続/SDN」が55%で最も高く、「BCP/DR」が47%、「働き方改革ソリューション(VDI、リモートワーク、MDMなど)」が38%と続きます。また、今後の施設・設備(ファシリティ)の調達で重視する点(複数回答、図表4)では、「回線(光ケーブル、回線サービス、IXへの近さなど)」(43%)、「天災が起きにくい立地」(38%)、「受電容量(施設規模)」(34%)の順となっています。クラウドとの協調やよりトラフィックが発生すると想定される5Gに向けた環境整備など、回線環境を強化することでアドバンテージを得たい事業者が多いと考えられます。

図表3. 近年の取組事項(複数回答)

【図表3. 近年の取組事項(複数回答)】

図表4. 今後の施設・設備(ファシリティ)の調達で重視する点(複数回答)

【図表4. 今後の施設・設備(ファシリティ)の調達で重視する点(複数回答)】

 

[ITインフラのユーザー企業への現状・意向調査 注目の調査結果]

 ユーザー企業を対象とした商用データセンターの利用状況(図表5)では、利用している企業は48.6%となっています。ITサービス業では55.4%と全体平均より高いですが、製造業及び非製造業では5割弱で大きな差は見られません。

 一方、商用データセンターを利用していない企業に対して、今後の利用意向と条件を聞いたところ(図表6)、約7割の企業が条件次第で利用する可能性があることがわかります。利用条件では、「コスト増が負担と感じない程度なら利用する」が45.7%で最も高く、「ネットワーク経由でも十分な応答性能なら利用する」が27.2%、「手元設置のサーバーと同程度の運用ができるなら利用する」が24.7%と続いています。データセンター事業者にとって未開拓な市場が残されていることが示唆されています。

図表5. 商用データセンターの利用状況

【図表5. 商用データセンターの利用状況】

 

図表6. 商用データセンターの今後の利用意向と条件

【図表6. 商用データセンターの今後の利用意向と条件】

 

<<調査概要>>

■データセンター事業に関する現状・意向調査

調査目的

データセンターサービス提供事業を運営する企業に対して、大手クラウドサービスとの連携やパブリック/ハイブリッド/ホステッドプライベート/SaaSといったクラウドサービスとVDIサービスの提供状況、ファシリティ保有状況と今後の調達意向、今後の事業の方向性や戦略(投資状況や今後の事業継続性)などについての動向把握

調査対象

株式会社インプレスが発行する国内唯一の専門媒体「クラウド&データセンター完全ガイド」が保有しているデータセンターサービス187事業者の担当者

調査方法

対象者にメールを送付し、Web上のアンケートフォームへ誘導

有効回答数

60

調査期間

2018年10月24日(水)~11月28日(月)

調査企画・実施

株式会社インプレス インプレス総合研究所/クラウド&データセンター完全ガイド

 

■ITインフラのユーザー企業への現状・意向調査

 

調査目的

ITインフラのユーザー企業におけるデータセンター及びクラウドサービスの利用動向把握

調査対象

株式会社インプレスの媒体/サービスである「IT Leaders」と「Impress Business Library」などの会員

サンプリング条件

業種:ITインフラのユーザー企業、顧客のためにデータセンターを検討する企業

役職:勤務先においてデータセンターの選定や決定に関与する個人、

もしくは課長以上の役職の個人

調査方法

対象者にメールを送付し、Web上のアンケートフォームへ誘導

有効回答数

316

調査期間

2018年10月19日(金)~11月1日(木)

調査企画・実施

株式会社インプレス インプレス総合研究所/クラウド&データセンター完全ガイド

■データセンター採用検討企業担当者への調査

調査目的

データセンターサービスを実際に採用するタイミングの検討担当者に対しアンケート調査を行い、比較・検討・採用決定現場の動向把握

調査対象

株式会社インプレスが運営する国内唯一の専門媒体「クラウド&データセンター完全ガイド」のサイト(https://dc-cloud.impress.co.jp/)で提供しているデータセンターサービスについての「一括資料請求」または「一括見積依頼」(いずれも無料利用)を、2016年7月~2018年10月(約2年間)で利用した方

調査方法

対象者にメールを送付し、Web上のアンケートフォームへ誘導

有効回答数

62

調査期間

2018年10月12日(金)~11月6日(火)

調査企画・実施

株式会社インプレス インプレス総合研究所/クラウド&データセンター完全ガイド

 

<<調査報告書の製品形態、および販売に関するご案内>>

書名                   :データセンター調査報告書2019

監修                 :クラウド&データセンター完全ガイド

編                      :インプレス総合研究所

発行所                :株式会社インプレス

発売日                :2019年1月24日(木)<予約受付中>

価格                   :CD(PDF)版 160,000円(税別)

         CD(PDF)+冊子版 170,000円(税別)

判型                   :A4判

ページ数             :322ページ

詳細、ご予約は右よりご覧ください。https://research.impress.co.jp/dc2019

 

■『データセンター調査報告書2019』目次

第1章    データセンター市場の最新動向
1.1    データセンター新設状況
1.1.1    市場の拡大は必ずしもデータセンター新設に結びつかない
1.1.2    都心と都心近郊型の新設状況
1.1.3    地方都市型と地方郊外型の新設状況
1.1.4    データセンターの平均ラック規模
1.1.5    新設データセンターのファシリティとスペック
1.1.6    パブリッククラウド接続に向けたネットワークサービス
1.2    地域別市場動向
1.2.1    北海道・東北地方
1.2.2    関東
1.2.3    甲信越・北陸
1.2.4    東海
1.2.5    関西
1.2.6    中国・四国
1.2.7    九州・沖縄地方
1.3    災害とデータセンター
1.4    データセンター閉鎖状況と手法
1.4.1    データセンターのライフサイクル 
1.4.2    閉鎖・事業形態変更・事業撤退の動向
1.4.3    さらに大きな変革期が訪れる可能性
1.5    不動産投資の観点から見たデータセンター施設
1.5.1    データセンター不動産への投資に注目が集まっている理由
1.6    データセンタービジネスを巡る技術動向
1.6.1    GPUの冷却問題で「リアドア型冷却」に注目
1.6.2    AIによるデータセンター空調制御
1.7    データセンターの空調に関する動向
1.7.1    日本においても年間平均pPUE 1.1xを実現し得る間接蒸発冷却式空調システムの概要とその可能性

第2章    データセンターサービス分析
2.1    本章のデータについて
2.2    基本スペック
2.2.1    回線総量
2.2.2    接続先のIX・ISP
2.2.3    データセンターの所在地
2.2.4    総床面積
2.2.5    総ラック数
2.2.6    稼動サーバー数
2.2.7    入退室認証
2.2.8    セキュリティ認証
2.2.9    常駐スタッフ数
2.3    提供サービス
2.3.1    提供サービス
2.4    サービス費用
2.4.1    ラック月額料金
2.4.2    共有回線月額料金
2.4.3    専有回線月額料金

第3章    データセンター事業に関する意向調査
3.1    調査概要
3.1.1    調査概要
3.1.2    回答者(回答企業)のプロフィール
3.2    クラウドへの取組状況
3.2.1    大手クラウドサービスとの専用接続の有無
3.2.2    IaaS型パブリッククラウドサービスの提供状況と今後の意向
3.2.3    IaaS型ハイブリッドクラウドサービスの提供状況と今後の意向
3.2.4    IaaS型ホステッドプライベートクラウドサービスの提供状況と今後の意向
3.2.5    VDIサービスの提供状況と今後の意向
3.2.6    SaaSの提供状況と今後の意向
3.3    今後の事業や投資への意向
3.3.1    現状の施設・設備(ファシリティ)の保有状況
3.3.2    今後の施設・設備(ファシリティ)の保有意向
3.3.3    データセンターサービス(サーバー関連アウトソーシング)事業の継続意向
3.3.4    今後の施設・設備(ファシリティ)の調達方法の意向
3.3.5    今後の施設・設備(ファシリティ)の調達で重視する点
3.3.6    今後の施設・設備(ファシリティ)の調達予定地域
3.3.7    次の調達予定データセンターのタイプ
3.3.8    今後の施設・設備(ファシリティ)の調達予定時期
3.3.9    近年の取組事項
3.3.10    今後5年間の投資の増減見込み
3.3.11    今後の投資分野の意向
3.3.12    IT機器投資の内訳
3.3.13    課題

第4章    利用企業動向調査
4.1    調査概要
4.1.1    調査概要
4.1.2    回答者(回答企業)のプロフィール
4.2    データセンターの利用概況
4.2.1    データセンターの利用率
4.2.2    データセンターの利用用途
4.2.3    利用のきっかけ
4.2.4    データセンターの利用開始時期
4.2.5    データセンターの契約期間
4.3    データセンター利用の詳細スペック
4.3.1    利用しているラック数
4.3.2    1ラックあたりの利用している電力容量
4.3.3    1ラックで最低限必要な許容電力
4.3.4    利用しているサーバー台数
4.3.5    ラックの月額料金
4.3.6    追加で支払っている電力料金
4.4    データセンターの立地
4.4.1    データセンターの所在地
4.4.2    データセンターまでの所要時間
4.5    データセンターに対する評価と要望
4.5.1    利用中のデータセンターの選択理由
4.5.2    データセンターに強化して欲しい点
4.6    非利用企業の意向
4.6.1    商用データセンターを利用しない理由
4.6.2    今後の利用意向とその条件
4.7    クラウドの利用状況
4.7.1    IaaS型パブリッククラウドの利用状況と今後の利用意向
4.7.2    IaaS型パブリッククラウドに魅力を感じている点
4.7.3    利用中/利用予定のIaaS型パブリッククラウド
4.7.4    プライベートクラウドに対する取り組み状況
4.7.5    ハイブリッドクラウドに対する取り組み状況
4.7.6    クラウドサービスの採用に至らない理由

第5章    データセンターへ見積依頼・資料請求した担当者への調査
5.1    調査概要
5.1.1    調査概要
5.1.2    回答者(回答企業)のプロフィール
5.2    調査結果
5.2.1    資料請求・見積依頼後のデータセンターの採用状況
5.2.2    データセンター利用経験別の採用状況
5.2.3    検討しているデータセンターの利用目的
5.2.4    検討したデータセンター数
5.2.5    採用・不採用決定に至るまでの期間
5.2.6    採用・検討したラック数
5.2.7    初期費用
5.2.8    月額料金
5.2.9    採用したデータセンターの満足度
5.2.10    採用にあたって重視する点
5.2.11    採用・不採用のきめてになった項目(自由回答)
5.2.12    採用・検討したデータセンターの形態
5.2.13    採用した(検討した)データセンターの形態を選んだ理由
5.2.14    同時に採用・検討したITサービス
5.2.15    データセンター採用にあたり移転を決めていたシステム
    
参考資料1 都道府県別データセンター拠点一覧
参考資料2 データセンターサービス一覧

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2019.01.21