[ECHONET LiteとSEP 2.0の共存からWi-SUNまで]
本書の概要
本書は、スマートグリッドの中核的な仕様である完成したばかりの「ECHONET Lite」や「SEP 2.0」も含め、920MHz帯にも対応する新ネットワーク「ZigBee IPネットワーク」や「IEEE 802.15.4g(SUN)ネットワーク」などの新しい展開を解説する。
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CD(PDF)版:本体価格85,000円+税
本書の内容
現在、スマートグリッド/スマートハウスをめぐって、新しいダイナミックな展開が活発化している。
具体的には、
- スマートグリッドの国際標準仕様「NIST2.0」の完成(2012年2月)
- NIST傘下のSGIPのPAP18における「SEP 2.0」仕様の完了(2011年12月)
- IEEE 802.15.4gタスクフォースにおけるスマートグリッド向け新ネットワーク規「IEEE 802.15.4g:SUN(Smart Utility Network)」の完成(2012年3月)
- JSCAの「スマートハウス標準化検討委員会」におけるスマートハウス向けHEMS用インタフェース「ECHONET Lite」の策定(2011年12月22日公開)
- 「ECHONET Lite」環境の伝送メディア「特定小電力無線(ZigBee・SUN等)無線LAN、PLC」の推奨(2011年12月)
- Wi-SUNアライアンスの設立(2012年1月)
などの動きである。
これらに加えて、2012年7月25日から、スマートグリッド/スマートハウス向けの920MHz帯(13MHz幅)無線周波数が全面開放され、これによってスマートハウス向け機器やスマートグリッド向けAMIネットワーク用製品の開発や導入が活発化することが期待される。
本書は、スマートグリッドの中核的な仕様である完成したばかりの「ECHONET Lite」や「SEP 2.0」も含め、920MHz帯にも対応する新ネットワーク「ZigBee IPネットワーク」や「IEEE 802.15.4g(SUN)ネットワーク」などの新しい展開を解説する。
目次
1.1 新しい920MHz帯の開放と新しいネットワーク環境
1.1.1 周波数帯域割り当ての変遷と920MHz帯
1.1.2 バランスの良い周波数帯:920MHz帯
1.1.3 特定小電力無線局とは
1.1.4 スマートメーターやHEMSの市場は活性化
コラム(1) 市場拡大への期待高まる 920MHz帯を使用するスマートメーター/HEMS分野
1.2 実験による電波の飛距離:920MHz帯は2.4GHz帯の3倍
1.2.1 950MHz帯と2.4GHz帯による通信距離の比較
1.2.2 920MHzを使用した試験の結果:920MHzでは10㎞まで到達可能
1.3 800/900MHz帯の周波数割り当てと国際動向
1.3.1 世界の周波数は920MHz帯に集中
1.3.2 920MHz帯の3つのARIB標準規格
〔1〕日本の電子タグシステム標準規格:950MHz帯から920MHz帯へ
〔2〕パッシブタグシステム:ARIB STD-T106/STD-T107
〔3〕920MHz帯の場合:チャネルを明確に分けて使用
1.3.3 920MHz帯のチャネル割り当て(ARIB STD-T108)の状況
1.3.4 電波の利用方法と低消費電力の課題
〔1〕間欠的利用(スマートメーター)と連続的利用(RFID)
〔2〕低消費電力化の課題
1.4 920MHz帯におけるマルチホップ通信
1.5 920MHz帯と他の無線方式との比較
1.5.1 総合評価で920MHz帯が優位
1.5.2 各無線方式の機能ごとの比較
〔1〕無線LAN(Wi-Fi、2.4GHz帯)
〔2〕PHS(1.9GHz帯)
〔3〕ARIB STD-T67(420MHz/1200MHz帯)
〔4〕IEEE 802.15.4d/4g(920MHz帯)
1.6 IEEE 802.15.4関連プロトコル群と周波数・用途の関係
1.6.1 センサーネットワーク等向け(ZigBee系)とスマートメーター向け(SUN系)
2.1 進化するZigBee:物理層に802.15.4g、MAC層に802.15.4eの採用を検討へ
2.1.1 ZigBeeの通信が屋内から屋外でも可能に
2.1.2 勢ぞろいし始めたスマートネットワーク技術
2.2 具体例:920MHz帯におけるマルチホップネットワークと適用領域とHEMS/BEMS
2.2.1 920MHz帯マルチホップ通信環境とBEMS
2.2.2 スマートハウスにおける具体的なシステムとAルート/Bルート
2.3 920MHz帯のZigBee IP上で動作するECHONET Lite
2.3.1 ECHONET Lite
2.3.2 ECHONET Liteの選択と3つの通信方式を推奨
2.3.3 ECHONET Lite over 920MHz ZigBee IP
2.4 HEMS/スマートメーターのプロトコルスタックの詳細
2.4.1 ガスネットワーク(Uバス/Uバスエア)とそのプロトコル
2.4.2 ガスメーター仕様の国際標準化の取り組み
2.4.3 ガススマートメーターの今後の実証実験のスケジュール
2.4.4 ECHONET LiteとZigBee SEP 2.0が同列のレイヤである意味
2.4.5 ECHONET LiteをZigBee IP上で動作させる
2.5 HEMSネットワークと各機器が実装するプロトコルスタックの例
2.5.1 HEMSネットワーク環境における各機器のプロトコルスタックの例
2.5.2 IEEE 802.15.4gとIEEE 802.11ahの共存と競合
2.6 具体的に登場してきた920MHz帯関連の製品群
2.6.1 OKI:920MHz帯無線マルチホップ通信システム
〔1〕大規模な無線ネットワークの構築
〔2〕高信頼性の実現
〔3〕IEEE 802.15.4e規格で省電力を実現
2.6.2 日立製作所/日立産機システム
「920MHz帯、高出力250mWの無線通信機を試作」
〔1〕250mWの高出力における電波干渉を抑制
〔2〕250mW/20mW/1mW出力切り替え技術
2.6.3 (株)立山科学ワイヤレステクノロジー:920MHz無線ユニット「TKU-T108」
2.6.4 SMK(株):920MHz帯 特定小電力無線モジュール「FD9005」
2.6.5 登場し始めた920MHz帯対応のチップセット
〔1〕三菱マテリアル:920MHz帯評価用チップアンテナ搭載ユニット
〔2〕ラピス(LAPIS)セミコンダクタ:920MHz/950MHzトランシーバ(送受信)IC「ML7396」
〔3〕佐鳥電機:920MHz帯「無線通信モジュール」
3.1 SEP(Smart Energy Profile)とは
3.1.1 SEPの機能
3.1.2 ZigBee SEP 1.0からSEP 2.0への展開
3.2 SEPが注目される背景
3.2.1 NISTリリース1.0で採用されたSEP
3.2.2 ZigBee SEP 1.xとオープンなSEP 2.0の開発
〔1〕ZigBee SEP 1.xの機能
〔2〕オープンなSEP 2.0の開発へ
3.2.3 SEP 1.xとSEP 2.0を共存させるためのALG
3.2.4 SGIPがSEP 2.0を承認(条件付き)
3.2.5 ZigBee/Wi-Fi/HomePlug Powerlineの3社がCSIコンソーシアムを結成
3.3 SEP 1.xとSEP 2.0のプロトコルの違い
3.3.1 SEP 1.xのプロトコルスタック構成
3.3.2 SEP 2.0のプロトコルスタック構成
3.4 ZigBee IPとSEP 2.0のプロトコルスタックの詳細
3.4.1 ZigBee IPとSEP 2.0のプロトコルスタック
3.4.2 6LoWPAN(アダプテーション層)のようなプロトコルが求められた理由
3.4.3 IPv6+RPLのネットワーク層:マルチホップ通信も可能に
3.4.4 トランスポート層から上のプロトコル
3.4.5 WoT(Web of Things):すべてをWeb上で統一できる時代へ
3.5 SEP 2.0の完成とSEP 1.x/SEP 2.0に関する公開文書
3.5.1 SEP 2.0はパブリックコメント(意見公募)を終え完成段階へ
3.5.2 NISTリリース2.0におけるCoS(標準規格一覧)とSEP 2
3.5.3 なぜSEP 2.0の最終版の発表が遅れているか
3.6 SEP(Smart Energy Profile)の詳細な機能
3.6.1 SEPの守備範囲
3.6.2 メーターリングサポート
3.6.3 デマンドレスポンスと負荷制御のサポート
3.6.4 料金サポート(各種料金等のサポート)
3.6.5 テキストメッセージのサポート
3.6.6 セキュリティ(送受信するデータの暗号化等)
〔1〕ネットワーク参加認証機能
〔2〕フレーム暗号化認証機能
3.7 ZigBee SIGジャパン5社がZigBee SEP 1.1の相互接続デモ
3.7.1 SEP 1.1の相互接続デモの構成と実際にシステム
3.7.2 OKI:920MHz ZigBee IPを活用した無線ネットワークシステム
3.8 電力業界からの視点から機能拡張されるSEP 2.0:OpenHAN
3.8.1 OpenHANとSEP 2.
4.1 スマートメーター用標準規格「IEEE 802.15.4g/4e」の誕生
4.1.1 IEEE 802.15.4g(SUN)規格
4.1.2 IEEE 802.15.4e規格
4.2 IEEE 802.15.4g/4e規格が標準化された背景
4.2.1 スマートグリッド時代に必須の通信インフラ技術
4.2.2 SUNのサービスエリア:最大で1km程度
〔1〕マルチホップ通信技術
〔2〕低消費電力による動作技術
4.3 Wi-SUNアライアンスの設立と活動
4.3.1 Wi-SUNアライアンスの設立
4.3.2 Wi-SUNアライアンスの活動
4.4 IEEE 802委員会とIEEE 802.15.4g(物理層:SUN)
4.5 タスクグループ設立のための5つのPAR(判断基準)
4.6 標準化のスコープ(1):IEEE 802.15.4g(物理層)のスコープ
4.7 標準化のスコープ(2):IEEE 802.15.4e(MAC層)のスコープ
5.1 802.15.4g規格(物理層:SUN)の具体的な内容
5.1.1 標準化された3つの物理層方式
5.2 基本となる変調方式「FSK、QPSK、OFDM」の仕組み
5.2.1 FSK(周波数変調)
5.2.2 QPSK(4相位相変調)
5.2.3 OFDM(直交周波数分割多重)
5.3 IEEE 802.15.4g規格が各国で使用可能な周波数帯
5.3.1 各国で使用可能な周波数および変調方式
5.3.2 日本で利用可能な周波数帯
5.3.3 複数の物理層を共存可能にする「CSM(共通信号モード)」
5.4 MR-FSK方式とそのフレームフォーマット
5.4.1 MR-FSK方式で使用される伝送速度や変調方式
5.4.2 MR-FSK方式に使用される物理層のフレームフォーマット
5.5 MR-FSK方式に統合され標準化された経緯
5.5.1 FSKの3つのキャンプ(陣営)と日本の貢献
6.1 802.15.4e規格(MAC層)の具体的な内容
6.1.1 802.15.4のMAC層
6.1.2 省電力型スーパーフレーム
6.2 マルチホップ通信におけるデータフレーム中継の仕組み
6.2.1 マルチホップ通信の構成
6.2.2 スーパーフレーム中継の仕組み
〔1〕ルールに従った通信
〔2〕M1(スマートメーター1)がCSにデータを送る場合
〔3〕送信と受信のタイミングをずらし、両立させて通信
6.3 IEEE 802.15.4g/4eとIEEE 802.11ahとの関係
6.3.1 Wi-Fiファミリーとも言える「IEEE 802.11ah」
6.3.2 今後注目される「Wi-SUNアライアンス」と「Wi-Fiアライアンス」の活動
6.4 海外のSUN(IEEE 802.15.4g)に対する取り組み
6.4.1 米国のTIA(米国電気通信工業会)
6.4.2 欧州のETSI(欧州電気通信標準化機構)
6.5 開発事例(1):IEEE 802.15.4g/4eに準拠したNICTの920MHz帯対応の「SUN無線機」
6.5.1 NICTで開発された世界初の国際標準に準拠した「無線機」
6.5.2 950MHz帯から920MHz帯へ変更
6.5.3 今回開発された920MHz帯対応の「SUN無線機」の特長
6.5.4 SUN無線機の適用事例と主な仕様
6.6 開発事例(2):テレメータリング推進協会が802.15.4gベースのガス用スマートメーターを展示デモ
6.6.1 都市ガス用超音波ガスメーターとNCU
6.6.2 実際の都市ガス用超音波ガスメーターのデモシステム
6.6.3 Uバス・UバスエアのECHONET Liteへの対応
6.7 開発事例(3) 佐鳥電機:IEEE 802.15.4g/4e対応の「920MHz無線モジュール」を開発
6.8 開発事例(4) アジレント・テクノロジー:スマートメーター(IEEE 802.15.4g)信号データ生成ソフトウェア
6.8.1 920MH帯MR-FSK-PHYに準拠したデータパターンを作成
6.8.2 IEEE 802.15.4g信号データ生成ソフトウェアの特長
索引