[NB-IoT/Cat-M1からLoRaWAN/SIGFOX/IEEE 802.11ahまで]
本書の概要
本書は、大量のIoTデバイスを接続する次世代無線通信規格「LPWA」ネットワークの最新動向について、その全体像をまとめた決定版です。
本書のポイント
- LPWA(省電力型広域無線網)の最新動向が整理できる
- LPWAに関する最新の市場動向がわかる
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本書の内容
いよいよ日本でも、IoT時代に必須のLPWA(Low Power wide Area、省電力型広域無線網)サービスがスタートします。
第4次産業革命に向けて、エネルギー、ヘルスケア、製造業、小売業からスマートシティに至るまで、M2M/IoTの取り組みが活発化しており、2020年にはセンサーや通信モジュールをはじめとするIoTデバイスの接続数は、250億~500億個にも達すると見られています。
このような背景もあり、産業界では、企業のミッションクリティカル(基幹業務)向けIoTや、センサー/スマートメーター向けのマッシブ(大量)IoTで利用するネットワークのニーズが急速に高まってきています。
前者では、多少コストがかかっても、LTEなどを使用した高信頼性や低遅延性、高可用性を重視したセルラーIoTシステムが求められています。
一方、後者では、低価格で低消費電力、かつ長距離通信が可能な大量IoTシステム(LPWAシステム)が求められています。世界的にはすでに多くの国々で、LoRaWANやSIGFOXなどのLPWAが稼働し、また実証実験も行われています。
日本では、京セラコミュニケーションシステムが2017年2月からSIGFOX、ソフトバンクが3月からLoRaWANなど、非セルラー系LPWAサービスの提供を開始する予定です。
さらに、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどのモバイル通信事業者では、セルラー系LPWAの実証実験を展開しており、2017年度中にはセルラー系のLPWAサービス(NB-IoT、eMTC)も提供される予定となっています。
本書は、大量のIoTデバイスを接続する次世代無線通信規格「LPWA」ネットワークの最新動向について、その全体像をまとめた決定版です。
目次
1.1 LPWA:「低価格」「省電力」「長距離通信」を同時に実現するLPWA
1.1.1 ITU-TにおけるIoTの定義
1.1.2 LPWA登場の背景
〔1〕業界の境界領域を越えた新しいイノベーション
〔2〕低価格・省電力・長距離通信
1.2 世界のIoTデバイス数の推移とその予測
1.2.1 『平成28(2016)年版情報通信白書』における分析
1.2.2 GSMAにおける分野別LPWAの市場分析
1.2.3 エリクソンによるLPWAの市場分析
〔1〕広域IoTデバイス接続のケース
〔2〕短距離IoTデバイス接続のケース
1.3 代表的なLPWA:セルラー系LPWAと非セルラー系LPWA
1.3.1 セルラー系LPWAの動向
〔1〕3GPPで策定された3つの規格
〔2〕3GPPで使用される「MTC」「Cat-」という用語の解説
〔3〕ワイヤレスIoTアドホックグループで審議
〔4〕弱い電波でも通信できる確率を上げる技術:繰り返し送信
1.3.2 非セルラー系LPWAの動向
〔1〕各アライアンスやIEEEで策定された3つの規格
〔2〕920MHz帯電子タグシステム等作業班で審議
1.4 IoTが与える経済的効果の例:GE/IICの試算例
1.4.1 1%の改善でも、ヘルスケア産業は630億ドル(約7兆円)の運用コストの削減
1.4.2 第3の波(Industrial Internet):IICの設立
1.5 LPWA時代におけるIoTネットワーク・プロトコルの整理
〔1〕IoTプラットフォーム(ミドルウェア)
〔2〕各ネットワークと各種IoTデバイスの関係
1.6 3GPPにおけるLPWAを包含した5G(第5世代)のロードマップ
1.6.1 5Gの標準化:フェーズ1とフェーズ2に分けて実現
1.6.2 LPWAもとり込む5G(第5世代)のサービスと要求条件
1.6.3 ITU-R M.2083-0勧告における5Gの利用シナリオ/5Gの要求条件
1.7 WiMAX、XGPにおけるLPWAへの対応
1.7.1 WiMAXフォーラム:R2.1AEv05/R2.2AEv03の策定
1.7.2 XGPフォーラム:Advanced Technology(eMTC)の策定
1.8 IETFにLPWAN ワーキンググループ「lpwan WG」が設立
1.9 IoTに関するセキュリティと関連するセキュリティガイドライン
1.9.1 通信機能をもつ「モノ」の増大とネットワーク化への基盤整備
1.9.2 IoTセキュリティガイドライン ver1.0
2.1 【その1】急成長するIoTデバイスの接続数と明確となってきた2つの市場セグメント
2.1.1 LPWAがシェア伸ばし、LTEの接続数を超える
2.1.2 セルラー系/非セルラー系IoTデバイスの出荷数予測
〔1〕非セルラー系IoTデバイス出荷数予測
〔2〕セルラー系IoTデバイス出荷数予測
2.1.3 IoT時代に明確となった2つの市場セグメント
〔1〕ライセンス帯とアンライセンス帯
2.2 【その2】非セルラー系LPWA‘SIGFOX/LoRa/Ingenu/IEEE 802.11ah’の事例と
セルラー系LPWA‘NB-IoT’の具体的なアプリケーション例
2.2.1 各アライアンス等による非セルラー系LPWAの動向
〔1〕SIGFOXのサービスと動向
〔2〕LoRaWANのサービスと動向
〔3〕米国Ingenu(アンジェヌ)のサービスと動向
〔4〕IEEE 802.11ah:HaLow(ヘイロー)のサービスと動向
2.3 【その3】セルラー系LPWA:3GPPにおける「Cat-M1(eMTC)とNB-IoT」標準規格と
今後の展開
2.3.1 3GPPにおけるセルラー系IoT(セルラー系LPWA)標準化の動向
〔1〕LTEをベースにしたCat-1、Cat-0(20MHz幅を使用)
〔2〕LTEをベースのCat-M1、NB-IoT
〔3〕Cat-M1は移動向け用途、NB-IoTは固定向け用途
2.3.2 セルラー系LPWA「NB-IoT」の具体的なアプリケーションのイメージ:
スマートシティで展開される大量IoTデバイスの接続例
〔1〕スマートシティに設置される大量IoTデバイスの例
〔2〕大量IoTサービスに対応する単一NB-IoTキャリアの例
〔3〕1つのNB-IoTキャリアで大量IoTデバイスに対応可能
〔4〕セルラー系LPWA:Cat-M1とNB-IoTのまとめ
〔5〕LTEベースのLPWAモジュールのコスト
2.3.3 セルラー系LPWAにおける4つ要求条件とその実現技術
〔1〕低コスト化のための要件
〔2〕低消費電力化
2.3.4 NB-IoTを運用する場合の3つのシナリオ
〔1〕GSMの跡地を利用する形態
〔2〕LTE帯域内で供用する形態
〔3〕LTEのガードバンドを利用する形態
2.3.5 セルラー系IoTの事例と国際的な動向
〔1〕「NB-IoT」に準拠した世界初のデモ
〔2〕セルラー系IoTに関する世界動向(GSA、2016年6月)
〔3〕IoT市場の動向レポート:セルラー系LPWAか非セルラー系LPWAか
2.3.6 3GPPにおけるセルラー系IoT仕様の今後の拡張
2.3.7 誰がLPWAビジネスを制するのか
3.1 世界のLPWAサービスの市場動向:
セルラー系LPWAのNB-IoTがトップ、非セルラー系IoTのSIGFOXとLoRaが競り合い
3.1.1 世界各地のLPWAサービスの展開状況
3.1.2 GSMAにおけるLTE-M(eMTC)とNB-IoTのタスクグループ
3.1.3 MWC 2017で世界の通信事業者がCat-M1の展開に合意
3.2 NTTドコモのLPWA戦略
3.2.1 LPWA対応IoTゲートウェイ機器の実証実験
3.2.2 LPWAによる具体的なサービスのイメージ
3.2.3 NTTドコモの実証実験の構成
〔1〕自営網側
〔2〕重要な「IoTゲートウェイ」(相互接続装置)の役割
〔3〕4つの低カテゴリーLTE通信の実証実験の内容
〔4〕IoTクラウドにはToami(トアミ)を使用
3.2.4 2017年春からLoRaを、夏以降からセルラー系LPWAサービスを開始
3.3 KDDIのLPWA戦略
3.3.1 全方位的にLPWAを推進
3.3.2 KDDIが提供するクラウドやプラットフォーム(回線サービス)
〔1〕KDDI IoTクラウド Creator
〔2〕KDDI IoTコネクト Air(プラットフォーム)
〔3〕LoRa PoCキットの提供
3.3.3 実証事例①:LPWAによる「浸水監視サービス」の実証実験
3.3.4 実証事例②:「LoRaWAN」を活用した除雪車の位置情報管理による実証実験
〔1〕除雪車の利用効率と除雪効果の向上を目指す
〔2〕実証実験の概要
〔3〕主な検証内容
3.4 ソフトバンクのLPWA戦略
3.4.1 2016年度中に「LoRaWAN」の提供を開始へ
〔1〕LPWAネットワークを活用したサービス
〔2〕国際的なエコシステムの構築
3.4.2 千葉県・幕張エリアで「NB-IoT」を実証実験
3.4.3 静岡県・藤枝市とソフトバンクがLPWAネットワークを活用した
エコシステム型IoTプラットフォームを構築
〔1〕実証実験の内容
〔2〕実証実験の目的
〔3〕システム構築/ビジネスモデルの検証
〔4〕エコシステム型IoTプラットフォームの概要
4.1 日本では2020年に35億個のデバイスがIoT接続へ
4.2 LPWAサービスを提供するKCCSとSIGFOXのプロフィール
4.2.1 KCCSのプロフィール
4.2.2 SIGFOXのプロフィール
4.3 4つの壁を突き破るSIGFOX
4.3.1 コスト(通信料金など)の課題
4.3.2消費電力(省電力化)の課題
4.3.3 導入時の課題
4.3.4 グローバル展開の課題
4.4 KCCSのビジネスモデル
4.5 SIGFOXの実証試験:通信距離20km以上を確認
4.6 SIGFOXネットワークサービスとKCCSの提供範囲
4.6.1 KCCS/SIGFOXチャネルパートナープログラム
4.6.2 40社のパートナーが参加
4.7 SIGFOXネットワークの技術的な特徴
4.7.1 LTEの10万分の1=100Hzで通信
4.7.2 SIGFOXネットワークの特徴と工夫
〔1〕複数回フレーム伝送/周波数ダイバーシチ
〔2〕スペースダイバーシチ
〔3〕狭帯域信号特性
4.7.3 SIGFOXネットワークにおける上り/下りの通信特性
〔1〕上り(デバイス⇒基地局)の通信
〔2〕下り(基地局⇒デバイス)の通信
4.8 SIGFOXネットワークの主な適合分野と今後の展開
4.9 KCCSがサービス提供を開始した「SIGFOX」の概要
4.9.1 SIGFOXのエリアカバー計画
4.9.2 SIGFOXサービスの料金体系の例(目安)
4.9.3 SIGFOXの導入事例
4.9.4 検討が進められているSIGFOXの活用例
5.1 非セルラーLPWAにおけるLoRaWANの位置づけ
5.1.1 LPWAネットワークの伝送速度と通信距離の関係
5.1.2 通信料金とサービス品質からみた「セルラーM2M」「NB-IoT」「LoRaWAN」の比較
5.1.3 LPWAにおけるLoRaLANの位置づけ
5.2 国際的に普及しているLoRa/LoRaWAN 誕生の背景
5.2.1 LoRaとLoRaWANの違い
〔1〕LoRaは「変調方式」のこと
〔2〕LoRaWANは「通信システム規格」のこと
5.2.2 LoRaアライアンスのプロフィールと最新動向
5.2.3 M2BがLoRaWANの日本規格作成へ
5.3 LoRaWAN(通信システム規格)仕様の最新バージョンとその特徴
5.3.1 LoRaWANのプロトコル構成
5.3.2 LoRaWANの物理層①:変調方式
5.3.3 LoRaWANの物理層②:伝送速度
〔1〕欧州(863~870MHz帯)や中国(779~787MHz)の場合
〔2〕米国(902~928MHz)の場合
〔3〕日本などを含むアジア-パシフィック(923MHzISMバンド)の場合
5.3.4 LoRaWANのMAC層におけるプロトコル構成:LoRa MAC
〔1〕3つのMAC層プロトコルの役割
〔2〕クラスA(必須)の送受信のメカニズム
5.4 LoRaWANのネットワーク構成と通信の仕組み
5.5 LoRaWANにおける暗号化とセキュリティ
5.5.1 ネットワークセッションキー(NwkSKey)
5.5.2 アプリケーションセッションキー(AppSKey)
5.6 LoRaWANの導入事例:街灯の遠隔管理システム「inteliLIGHT」
5.7 LoRaWANシステムを実現する各種機器と実証例
5.7.1 LoRaWANに対応する半導体チップ/モジュール
5.7.2 LoRaWANシステムを実現する各種の機器
6.1 IEEE 802.11ah:ブランド名はWi-Fi HaLow
6.1.1 日本では920MHz帯(サブギガ帯)を使用
6.1.2 IEEE 802.11ahのユースケース(用途)
6.2 IEEE 802.11ah規格のプロフィール
6.2.1 IEEE 802.11ah規格の主な仕様
6.2.2 IEEE 802.11ahとWi-SUNの違いと共存
6.2.3 IEEE 802.11acの信号生成回路を有効活用
6.3 IEEE 802.11ah規格で使用される周波数帯
6.3.1 802.11ahで使用する900MHz帯の状況
6.3.2 802.11ahのチャネルバンド幅の構成
〔1〕プライマリーチャネル
〔2〕セカンダリーチャネル
6.3.3 米国は最大16MHz幅、日本は最大1MHz幅のみ
〔1〕IEEE 802.11ahのMCS(変調・符号化方式)と伝送速度
〔2〕タイプ1チャネルとタイプ2チャネル
6.3.4 IEEE 802.11ahの伝送速度の例
6.4 省電力化を重視したIEEE 802.11ah規格の特徴
〔1〕互換性の必要がないこと
〔2〕NDP Ackの追加
〔3〕S1Gビーコンの追加
〔4〕TWT機能の追加
〔5〕新プロトコルバージョン
〔6〕リレー(中継)機能
6.5 IEEE 802.11ah準拠の半導体チップや評価ボードも登場
〔1〕Newracom:IEEE 802.11ah準拠のトランシーバ等
〔2〕IMEC:IEEE 802.11ah評価ボード等
6.6 2017~2018年にIEEE 802.11ah準拠の製品