本書の概要
本書は、ドローン関連ビジネスの市場規模の最新予測と、ロードマップやビジネス動向、企業動向、国や公共団体の動向、法律や規制、基本的な技術解説、課題などを徹底的に分析しています。今後急拡大が予想されるドローンビジネスの現在と未来がわかる必携の一冊です。ドローン事業者や企業の調査開発部門、新規事業担当者がドローン産業全体を捉えるために必要となる情報を網羅しています。
本書のポイント
- 2022年3月発表!最新の国内ドローンビジネス市場規模掲載
- 15分野合計39の産業・業務用途ごとにロードマップや課題、今後の展望を掲載
- 企業動向、国や行政の動き、法律や規制などを網羅し分析
- 【NEW】国が進める免許制や機体登録制、リモートIDの義務化等を定めた航空法改正の詳細を解説
- 【NEW】掲載企業数追加
- ドローンビジネス(ドローンを活用するビジネスetc)の課題と展望
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注目の調査結果
2021年度のドローンビジネス市場規模は前年比25.4%増の2308億円
レベル4を契機にドローン活用がより促進され、2027年度は8000億円規模へ
【図表1】 国内のドローンビジネス市場規模の予測
出所:インプレス総合研究所作成
2021年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は2308億円と推測され、2020年度の1841億円から467億円増加しています(前年度比25.4%増)。2022年度には前年度比34.3%増の3099億円に拡大し、2027年度には7933億円に達すると見込まれます。これは年間平均成長率(2021年度~2027年度)に換算すると、年22.8%増加することになります。
分野別に見ると、2021年度はサービス市場が前年度比38.5%増の1147億円となり、最も大きい市場です。また、機体市場は前年度比14.1%増の693億円、周辺サービス市場は前年度比15.6%増の468億円となります。各市場とも今後も拡大が見込まれており、2027年度においては、サービス市場が5147億円(2021年度~2027年度の年間平均成長率28.4%増)と最も成長し、機体市場が1788億円(同年間平均成長率17.1%増)、周辺サービス市場が998億円(同年間平均成長率13.5%増)に達する見込みです。サービス市場の中の物流分野においては昨年度の推計より成長に遅れが見られますが、その他の市場や分野は昨年度の見込み通りの成長が見られます。
機体市場は、国内および海外メーカーから、農薬散布、点検、物流、測量など用途に合わせた様々な産業用機体が販売されています。機体メーカーは、2021年度も各産業分野のニーズに併せた機体を相次いで投入しており、市場が堅調に拡大するとともに、社会課題の解決に向けたドローンの利用が促進されるとみられます。また公共機関やインフラの点検用途などの分野を中心に機体の国産志向が強まっており、国内メーカーにも注目が集まっています。
【図表2】 サービス市場の分野別市場規模
出所:インプレス総合研究所作成
サービス市場は、2020年度に引き続き日本の経済は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延によりさまざまな形で影響が出ていますが、ドローンの社会実装は着実に進んでいます。特にレベル4(有人地帯における補助者なし目視外飛行)を実現する「航空法等の一部を改正する法律」が2022年度中に施行されることを契機にして、様々な産業分野でドローンの実用化や商用化が促進され、サービス市場は2022年度以降に拡大していくとみられます。
点検分野は2021年度には太陽光パネルや鉄塔、屋根などの点検は商用化、実用化に至っており、プラントをはじめとした生産設備や大規模建造物などの点検においても、実証段階から一部商用サービスが始まる段階にあります。農林水産業では2020年から加速している農薬散布がさらに伸びを見せているほか、山林調査などでも活用が広がっています。さらに、災害対応や巡回・警備といった分野でもドローンの利用が広がっており、特に近年ますます増えている大規模災害の調査でドローンの利用が拡大しています。
一方、物流分野は2021年度には従来の中山間地、離島といった環境に加えて、都市部での実証実験が増加しました。しかしながら事業の採算性や運用体制の構築などの課題もあり、実用化は一部のサービスのみに留まっており、市場の拡大は昨年度の予想よりも遅れています。
またレベル4実現を見据えて、2021年度はモバイル通信の上空利用が大きく進んでいます。通信事業者が、携帯電話サービスの料金プランと同じように、ドローン向けの利用プランの提供を開始しました。LTE通信を活用した遠隔自律飛行するドローンによる、物流やインフラ点検、広域の監視、災害時の監視といった利用が広がると見られます。また、これに応えるようにドローンメーカーもモバイル通信で遠隔制御ができるドローンの提供を始めています。
周辺サービス市場では、ドローンの産業利用が進むにつれて、バッテリー等の消耗品や定期的なメンテナンス、業務環境に即した保険のバリエーションの増加などにより機体市場の拡大に合わせて引き続き成長していくと予想されます。また今後、導入されるドローン操縦ライセンスに伴い、スクール事業の動きが活発になるとみられます。そのほか、各ユーザー企業における運用管理やソフトウエア開発などのドローンに特化した人材の要求が高まっており人材サービス市場の拡大も予想されます。
本書の内容
本書はドローン関連ビジネスを展開する企業やキーマンなど50社以上の取材を基に、市場動向、ビジネス動向、行政、法律や規制、課題、展望などドローン市場を多角的に分析。国内のドローンビジネスの成功戦略を立てるための情報が網羅された、必携の1冊です。
第1章の「ドローンビジネス市場分析」では、ドローンビジネスの市場規模やロードマップと今後の展望、産業構造やプレイヤー整理、事業レイヤーごとの動向と分析、市場全体の最新動向、法律や規制など、ドローン市場を知るうえで必要な情報を網羅的にまとめています。
第2章「産業分野別のドローンビジネスの現状と課題」では、農業、土木・建築、点検、搬送・物流、公共など15分野合計39の産業・業務用途ごとにドローンを活用したビジネスの現状とロードマップ、課題(分野特有の課題、技術課題、社会的課題など)、今後の可能性などを分析しています。
第3章の「各省庁の動向」では、今後のドローンビジネス市場を展望するうえで重要な、国土交通省、経済産業省、総務省、農林水産省、内閣府の動向をまとめています。特に2021年度はレベル4に向けて制度面の整備が大きく動き出した一年となりました。操縦ライセンスや機体認証など新しい航空法をはじめ行政が進めるドローンに関する環境整備を詳細に解説しています。
第4章の「企業動向」では、今後のドローンビジネス市場のカギを握る企業を「ハードウエア」「サービス・ソリューション提供」「業界団体」などに分類し、46社・団体の動向をまとめています。
目次
1.1 ドローンの定義と分類
1.1.1 本書で取り扱う「ドローン」の定義
1.1.2 ドローンの分類
1.1.3 民生用(ホビー用)と業務用
1.1.4 回転翼と固定翼、VTOL
1.1.5 屋内用小型ドローンとマイクロドローン
1.1.6 水中ドローン
1.1.7 UGV(ローバー型ドローン)
1.2 ドローンの役割と有用性
1.2.1 ドローンの役割
1.2.2 ドローンの有用性
1.3 国内ドローンビジネスの市場規模
1.4 2021年度の動向と今後の見通し
1.4.1 2021年度の動き
1.4.2 2022年度の注目点
1.4.3 2023年度以降の予想
1.5 国内ドローンビジネスの産業構造
1.5.1 ドローンビジネスの産業構造の整理
1.5.2 ドローンビジネスのプレーヤー
1.6 ドローン事業レイヤーごとの動向
1.6.1 機体メーカー
1.6.2 センサーメーカー
1.6.3 サービス事業者
1.6.4 人材会社
1.6.5 スクール
1.6.6 情報セキュリティ
1.6.7 アンチドローン
1.7 ドローン市場の最新動向
1.7.1 12月の改正航空法施行で大きく変わる日本のドローンのルール
1.7.2 リモートIDを使う「登録制度」が6月からスタート
1.7.3 産業界の要請に応える形でドローンの規制緩和が進む
1.7.4 国産小型ドローン「SOTEN(蒼天)」の登場
1.7.5 世界が認めるソニー製品のクオリティを備えたドローン「Airpeak S1」
1.7.6 国産ドローンは実証実験のための開発試作から量産の段階へ
1.7.7 橋梁点検からそのフィールドを広げつつあるSkydio
1.7.8 フライトコントローラをめぐる動向
1.7.9 携帯電話の料金プランに位置付けられたモバイル通信の上空利用
1.7.10 携帯電話事業者が取り組むドローンビジネス
1.7.11 “スマート保安アクションプラン”で期待されるドローンの活躍
1.7.12 レベル4を見据えたドローン物流の取り組みが加速
1.7.13 レベル4の解禁とともにドローンの知見が積み重なる
1.7.14 既存のルールや費用に対する評価とドローンがもたらす新しい価値
2.1 ドローンの利用が期待される分野
2.2 農林水産業
2.2.1 農薬散布(肥料散布、種まきなど)
2.2.2 精密農業
2.2.3 害獣対策
2.2.4 水産業
2.2.5 林業
2.3 土木・建築
2.3.1 工事進捗
2.3.2 測量
2.4 点検
2.4.1 橋梁
2.4.2 トンネル・洞道
2.4.3 ダム
2.4.4 送電網
2.4.5 基地局鉄塔・通信鉄塔
2.4.6 ソーラーパネル
2.4.7 一般住宅
2.4.8 大規模構造物(ビル・工場・倉庫など)
2.4.9 下水道
2.4.10 プラント
2.4.11 風力発電
2.4.12 建築物設備
2.4.13 船舶
2.4.14 鉄道施設
2.4.15 水中構造物
2.5 空撮
2.5.1 商業空撮
2.5.2 報道空撮
2.6 搬送・物流
2.6.1 輸送・配送
2.6.2 緊急搬送
2.7 警備
2.7.1 巡回・監視
2.8 在庫管理
2.8.1 在庫管理(屋内)
2.8.2 在庫管理(屋外)
2.9 鉱業
2.9.1 鉱業
2.1 計測・観測
2.10.1 環境モニタリング
2.11 保険(損害保険)
2.11.1 損害保険
2.12 エンタテインメント
2.12.1 ドローンレース
2.12.2 イベント演出
2.13 通信
2.13.1 基地局・中継局
2.14 公共
2.14.1 消防
2.14.2 災害調査
2.15 運搬
2.15.1 運搬
2.16 その他
3.1 全体動向
3.2 内閣府
3.3 国土交通省
3.4 農林水産省
3.5 経済産業省
3.6 総務省
4.1 ハードウエアメーカー
4.1.1 イームズロボティクス
4.1.2 エアロネクスト
4.1.3 NTT e-Drone Technology
4.1.4 エバーブルーテクノロジーズ
4.1.5 ACSL
4.1.6 Skydio
4.1.7 SkyDrive
4.1.8 SONY
4.1.9 DJI
4.1.10 TEAD
4.1.11 VFR
4.1.12 FullDepth
4.1.13 プロドローン(PRODRONE)
4.1.14 メトロウェザー
4.1.15 ヤマハ発動機
4.2 サービス・ソリューション提供
4.2.1 iROBOTICS(アイ・ロボティクス)
4.2.2 エアロセンス
4.2.3 ANAホールディングス
4.2.4 A.L.I.Technologies
4.2.5 エナジー・ソリューションズ
4.2.6 NTTドコモ
4.2.7 かもめや
4.2.8 CLUE
4.2.9 KDDI
4.2.10 ジャパン・インフラ・ウェイマーク
4.2.11 セコム
4.2.12 センシンロボティクス
4.2.13 テラドローン
4.2.14 ドローン・ジャパン
4.2.15 ドローンエモーション
4.2.16 日本郵便
4.2.17 パーソルプロセス&テクノロジー
4.2.18 FLIGHTS
4.2.19 ブルーイノベーション
4.2.20 楽天
4.2.21 Liberaware
4.3 業界団体
4.3.1 一般社団法人救急医療・災害対応無人機等自動支援システム活用推進協議会(EDAC)
4.3.2 一般社団法人日本ドローンコンソーシアム(JDC)
4.3.3 日本無人機運行管理コンソーシアム(JUTM)
4.3.4 一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV)
4.3.5 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)
4.3.6 一般社団法人セキュアドローン協議会
4.3.7 一般社団法人ドローンサービス推進協議会(DSPA)
4.3.8 一般社団法人ドローン測量教育研究機構(DSERO)
4.3.9 一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)
4.3.10 DRONE FUND