本書の概要
本書は、点検分野において詳細に分析し、ドローンを活用した点検業務の最新動向や企業動向、課題、今後の展望などを明らかにします。インフラ・設備を保有し自社の点検業務にドローン活用を進めたい企業や、それらの企業に向けてドローンを活用した点検ビジネスを行いたい企業にとって、参考となる情報が網羅された1冊です。
本書のポイント
1.ドローンビジネス市場規模の4割を占めるインフラ設備点検に特化したレポート
2.点検分野におけるドローンの役割や効果、ビジネスモデルを整理
3.橋梁、ダム、下水管、大規模建築物、ソーラーパネルなど14分野の点検市場の現状と課題、ドローン活用のメリット、主要プレイヤー、今後の展望など分析
4.各省庁の動向を整理
5.本年度版から「機体メーカー8社」や「点検分野に関連したドローンを活用したサービスを提供する企業10社」の計18社の企業個票を掲載。各企業から課題や今後の展望についてもヒアリングし、内容をまとめています。
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※斜線部分は昨年度発表時(2022年9月)のもの
出所:インプレス総合研究所作成
資料1. 点検分野ごとのフェーズ(2023年11月時点)
この1年で橋梁、一般住宅、大規模建造物などの分野で、より一層商用化・実用化が進みました。この要因として機体の技術開発やソリューションの提供によって操縦の難易度が下がったことや、飛行の自動化によって操縦者の属人性が下がったことがあげられます。これまでドローンサービスの利用者であったインフラ・設備の保有者や保守点検事業者が、自らドローンをオペレーションするという動きを強めています。
大規模建造物の天井裏や下水道の管渠、ボイラーやダクトの内部など狭小空間でのドローン活用は認知が広まり、普及し始めています。ドローンによる点検を請け負うサービス事業者が屋外用ドローンと並んで、狭所点検用ドローンをサービスメニューに加えるケースが増加しています。2023年度は新しい機体の登場や企業の新規参入もみられ、今後も狭小型ドローンを活用した点検がさらに拡大していくいくとみられます。
水上や水中をフィールドに活躍するドローンの利用が活発化しています。港湾に設置されている桟橋の下面や桁下高の低い橋梁の桁、床板裏などを点検するために、水面に水上ドローンを航行させてオルソや3Dモデルデータを生成する点検が始まっています。また、水中ドローンはコンシューマ向けモデルから進化した産業機が各社から登場し、ソナーやレーザーといった水中ドローンに搭載する機器が増えてきています。海洋構造物やダム、上下水道、農業水利施設の管路といった設備を対象にした点検を中心に水中ドローンが利用されています。
今後もドローンを活用した点検市場は広がり続けていくことが予想されます。当研究所では、インフラ・設備点検分野がドローンを活用したビジネスにおいて、最も市場規模と成長が大きい分野とみており、2023年度には780億円、2028年度には2145億円に達すると推測しています。
本書の内容
本書は、点検分野において詳細に分析し、ドローンを活用した点検業務の最新動向や企業動向、課題、今後の展望などを明らかにします。インフラ・設備を保有し自社の点検業務にドローン活用を進めたい企業や、それらの企業に向けてドローンを活用した点検ビジネスを行いたい企業にとって、参考となる情報が網羅された1冊です。
第1章「インフラ・設備点検におけるドローンの役割とビジネスモデル」ではインフラ・設備点検分野におけるドローンの役割や効果、ビジネスモデルなどをまとめています。
第2章「インフラ・設備点検分野における最新動向」では、注目すべき市場全体のトピックスをまとめています。
第3章「産業分野別のドローンビジネスの現状と課題」では、「橋梁」「トンネル・洞道」「ダム」「送電網」「基地局鉄塔・通信鉄塔」「ソーラーパネル」「一般住宅」「大規模建造物(マンション・オフィスビルなど)」「プラント」「風力発電」「建築物設備」「船舶」「鉄道施設」「水中構造物」の14分野についてドローンを活用したビジネスの現状と課題(分野特有の課題、技術課題、社会的課題など)、ドローン活用のメリット、今後の展望などを分析します。さらに、「その他」では実用化を模索する動きが見られている分野を紹介しています。
第4章「各省庁の動向」は、ドローンによるインフラ設備点検に関わる省庁の動向を解説します。
第5章 企業動向は、ドローン点検に関連するプレイヤーである機体メーカーとサービス事業者合わせて18社の動向をまとめています。
目次
1.1 ドローンの定義と分類
1.1.1 本書で取り扱う「ドローン」の定義
1.1.2 ドローンの分類
1.1.3 コンシューマー向けと業務用
1.2 点検に用いられるドローン
1.2.1 マルチコプター(マルチローター型ドローン)
1.2.2 ヘリコプター(シングルローター型ドローン)
1.2.3 固定翼型/VTOL型
1.2.4 小型ドローン(飛行型)
1.2.5 水中ドローン
1.3 インフラ・設備点検の現状とドローンの活用
1.3.1 国や自治体が管理するインフラや設備をとりまく現状
1.3.2 民間の施設や設備などの保守をとりまく現状
1.3.3 ドローンの有用性
1.3.4 ドローンを活用した点検の価値と効果
1.4 点検分野におけるプレイヤー
1.4.1 ハードウエア(機体)
1.4.2 ハードウエア(パーツ)
1.4.3 サービス提供事業者
1.4.4 点検事業者
1.4.5 利用者(国、自治体、団体、自社活用企業)
1.5 点検分野におけるドローン活用のビジネスモデル
2.1 インフラ・設備点検用途で今注目の機体
2.2 利用分野が拡大している狭所ドローン点検
2.3 スプレーによる補修材の吹きかけや 対象物に接触して点検を行う作業型ドローン
2.4 点検用途にも使えるドローンが 第二種型式認証機として申請される
2.5 下水道管路の点検にもドローンの活用が進む
2.6 水面上にある高さの低い構造物の点検に 水上ドローンの利用が拡大
2.7 2022年12月5日から大きく変わった 航空法上のドローンに関する新しいルール
2.8 機体開発など90億円が投じられる 中小企業イノベーション創出推進事業
2.9 送電網に沿ったドローン航路を早期に実現させる デジタルライフライン全国総合整備計画
2.10 アナログ規制が抱える課題をデジタルで解決する ドローンを使った技術検証の取り組みが始まる
2.11 ドローンによる広域送電線点検の実現を目指し レベル3飛行の道路・鉄道横断のルールを改正
2.12 インフラ・設備保守を担うデータの受け手側にも 求められる仕組みづくりやノウハウの蓄積
3.1 全体動向
3.2 橋梁
3.2.1 現況
3.2.2 従来の点検手法
3.2.3 ドローン活用の現況
3.2.4 ドローン活用のメリット・特長
3.2.5 主なプレイヤー
3.2.6 代表的なハードウェア
3.2.7 課題
3.2.8 今後の展望
3.3 トンネル・洞道
3.3.1 現況
3.3.2 従来の点検手法
3.3.3 ドローン活用の現況
3.3.4 ドローン活用のメリット・特長
3.3.5 主なプレイヤー
3.3.6 代表的なハードウェア
3.3.7 課題
3.3.8 今後の展望
3.4 ダム
3.4.1 現況
3.4.2 従来の点検手法
3.4.3 ドローン活用の現況
3.4.4 ドローン活用のメリット・特長
3.4.5 主なプレイヤー
3.4.6 代表的なハードウェア
3.4.7 課題
3.4.8 今後の展望
3.5 送電網
3.5.1 現況
3.5.2 従来の点検手法
3.5.3 ドローン活用の現況
3.5.4 ドローン活用のメリット・特長
3.5.5 主なプレイヤー
3.5.6 代表的なハードウェア
3.5.7 課題
3.5.8 今後の展望
3.6 基地局鉄塔・通信鉄塔
3.6.1 現況
3.6.2 従来の点検手法
3.6.3 ドローン活用の現況
3.6.4 ドローン活用のメリット・特長
3.6.5 主なプレイヤー
3.6.6 代表的なハードウェア
3.6.7 課題
3.6.8 今後の展望
3.7 ソーラーパネル
3.7.1 現況
3.7.2 従来の点検手法
3.7.3 ドローン活用の現況
3.7.4 ドローン活用のメリット・特長
3.7.5 主なプレイヤー
3.7.6 代表的なハードウェア
3.7.7 課題
3.7.8 今後の展望
3.8 一般住宅
3.8.1 現況
3.8.2 従来の点検手法
3.8.3 ドローン活用の現況
3.8.4 ドローン活用のメリット・特長
3.8.5 主なプレイヤー
3.8.6 代表的なハードウェア
3.8.7 課題
3.8.8 今後の展望
3.9 大規模建造物(マンション・オフィスビルなど)
3.9.1 現況
3.9.2 従来の点検手法
3.9.3 ドローン活用の現況
3.9.4 ドローン活用のメリット・特長
3.9.5 主なプレイヤー
3.9.6 代表的なハードウェア
3.9.7 課題
3.9.8 今後の展望
3.10 プラント
3.10.1 現況
3.10.2 従来の点検手法
3.10.3 ドローン活用の現況
3.10.4 ドローン活用のメリット・特長
3.10.5 主なプレイヤー
3.10.6 代表的なハードウェア
3.10.7 課題
3.10.8 今後の展望
3.11 風力発電
3.11.1 現況
3.11.2 従来の点検手法
3.11.3 ドローン活用の現況
3.11.4 ドローン活用のメリット・特長
3.11.5 主なプレイヤー
3.11.6 代表的なハードウェア
3.11.7 課題
3.11.8 今後の展望
3.12 建築物設備
3.12.1 現況
3.12.2 従来の点検手法
3.12.3 ドローン活用の現況
3.12.4 ドローン活用のメリット・特長
3.12.5 主なプレイヤー
3.12.6 代表的なハードウェア
3.12.7 課題
3.12.8 今後の展望
3.13 船舶
3.13.1 現況
3.13.2 従来の点検手法
3.13.3 ドローン活用の現況
3.13.4 ドローン活用のメリット・特長
3.13.5 主なプレイヤー
3.13.6 代表的なハードウェア
3.13.7 課題
3.13.8 今後の展望
3.14 鉄道施設
3.14.1 現況
3.14.2 従来の点検手法
3.14.3 ドローン活用の現況
3.14.4 ドローン活用のメリット・特長
3.14.5 主なプレイヤー
3.14.6 代表的なハードウェア
3.14.7 課題
3.14.8 今後の展望
3.15 水中構造物
3.15.1 現況
3.15.2 従来の点検手法
3.15.3 ドローン活用の現況
3.15.4 ドローン活用のメリット・特長
3.15.5 主なプレイヤー
3.15.6 代表的なハードウェア
3.15.7 課題
3.15.8 今後の展望
3.16 その他
4.1 全体的な動向
4.2 国土交通省の動向
4.3 経済産業省の動向
4.4 総務省の動向
5.1.1 イームズロボティクス
5.1.2 石川エナジーリサーチ
5.1.3 ACSL
5.1.4 NTT e-Drone Technology
5.1.5 Skydio
5.1.6 SONY
5.1.7 Flyability
5.1.8 プロドローン(PRODRONE)
5.2 サービス・ソリューション提供
5.2.1 iROBOTICS(アイ・ロボティクス)
5.2.2 エアロセンス
5.2.3 NTTコミュニケーションズ
5.2.4 グリッドスカイウェイ
5.2.5 KDDIスマートドローン
5.2.6 センシンロボティクス
5.2.7 テラドローン
5.2.8 FINDi
5.2.9 ブルーイノベーション
5.2.10 Liberaware