2022年後半の改正航空法施行による有人地帯の目視外飛行(レベル4)解禁で
ドローンによる荷物の輸送・配送が事業化フェーズへ
『ドローン物流の現状と将来展望2021』8月17日発売
インプレスグループでIT関連メディア事業を展開する株式会社インプレス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小川 亨)のシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は新産業調査レポート『ドローン物流の現状と将来展望2021』(https://research.impress.co.jp/drone_logi2021)として発行し、2021年8月17日(火)に発売(予約受付中)いたします。
ドローン物流とはドローンで物を輸送・配送することを指します。ドローンには、いわゆる飛行するUAV(無人航空機:Unmanned Aerial Vehicle)だけでなく、自律的に陸上を走行するUGV(自動配送ロボット:Unmanned Ground Vehicle)も含みます。
現状ではドローン物流のほとんどの取り組みが未だ実証実験の段階です。しかしながら今後、2022年後半に予定されている改正航空法の施行により、レベル4(有人地帯における目視外飛行)の飛行が可能となることで、ドローン物流が実用化のフェーズへと進んでいくと見られます。買い物弱者の増加といった社会的課題への対応や物流業界の人手不足の課題を解決するひとつのツールとして、宅配便やデリバリーサービスの配送員の代わりに、配送拠点から利用者のもとに荷物を届ける“ラストワンマイル輸送”の担い手として期待されています。
■「山間・離島などへき地への輸送・配送」、「運搬」は商用化・実用化フェーズへ
出所:インプレス総合研究所作成
資料1 ドローン物流のフェーズ(2021年7月時点)
ドローン物流は、「山間・離島などへき地への輸送・配送」、「都市部 戸宅配送」、「災害時の物資輸送」、「運搬」、「公道を活用した配送」、「マンション・ビル等の屋内配送」の6つの用途が考えられています。そのうち、「山間・離島などへき地への輸送・配送」、「運搬」は商用化・実用化に差し掛かっています。「山間・離島などへき地への輸送・配送」は、一部の実証実験が配送料金を利用者から徴収する形で行われています。また、「運搬」用途では、運搬するドローンが製品化されており、事業化フェーズの段階に入りつつあります。技術面での折り合いが付けば、この分野の市場の拡大はいち早く進むと見られます。
その他の用途では実証実験が繰り返し行われています。UAVによる「都市部 戸宅配送」については、ドローンが有人地帯を避けて通れないため、2022年後半のレベル4飛行の解禁を待って、実証実験が始まるという段階です。都市部の戸宅配送用途ではむしろ「公道を活用した配送」としてUGVの活用が進んでおり、2020年度からは公道上の実証実験が始まっています。2021年度末までにはUGVが公道走行するための法令が整備される予定です。また、UGVによる「マンション・ビル等の屋内配送」も、これからさらに実証実験が進むと見込まれます。
「災害時の物資輸送」は、2019年10月の台風19号の被害で、道路崩落により孤立した集落に援助物資を届けるために、東京都がドローンを飛行させた事例に始まり、その後、災害時の物資輸送の訓練も行われるなど検証段階です。また、政府では2025年までに災害時に物資を輸送するための国産ドローンの開発を進めるとするなど、今後、技術とオペレーションの開発が加速することが見込まれます。
■都市部以外でのドローン活用が先行し、都市部は2030年度以降に普及へ
ドローン物流のサービス市場は、2025年度に797億円市場へと成長すると予測しています。2022年後半に予定されている改正航空法の施行により、レベル4(有人地帯における目視外飛行)の飛行が可能となり、農業や点検などさまざまな分野でドローンの利用がさらに進むと見込まれています。その中でもレベル4解禁によって伸びる分野がドローン物流であり、一部の郵便物の配送と医薬品、日用品や雑貨の小口配送にドローンが活用され、市場が形成されると見られます。特に山間部や離島といったへき地などの買い物弱者の支援、労働力不足や輸送の多頻度小ロット化が課題となっている物流業界における課題解決のツールのひとつとして、ドローンによる荷物の輸送・配送は普及していくと見られます。
ただし、レベル4の飛行が認められるようになっても、当面は都市部以外の場所での利活用が先行すると見られます。無人地帯としてドローンが飛行できる離島・山間といったへき地においてドローン物流の実績を積み上げていく中で、次第に都市部での活用が本格的に始まると見込まれます。都市部でのドローンを活用した配送は、機体の運行管理技術の高度化や機体性能の向上等、さまざまな課題を解決しなければならず、その本格的な普及は2030年度以降になると予測しています。
本報告書では今後拡大していくドローン物流にフォーカスし、国内のドローン物流の現状と課題をまとめ、今後を展望しています。
<<構成・各章の概要>>
第1章 「物流分野におけるドローンの役割」
物流分野におけるドローンの価値と効果、活用が期待されるシーン、ドローン物流のプレイヤーなどをまとめています。
第2章 「ドローン物流の現状と最新トピックス」
事業化に向けた現在のフェーズなど現状をまとめるとともに、「最新の航空法改正のポイント」、国土交通省が発表した「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドライン」、「携帯電話の上空利用」、政府が見解を発表した「第三者の土地上空の飛行について」、など最新トピックスを解説します。
第3章 「ドローン物流の課題と今後の展望」
ドローン物流の課題を分析し、今後を展望します。
第4章 「行政の動向」
ドローン物流に関係する行政の動向を解説します。
第5章 「企業動向」
ドローン物流に関連するプレイヤーである機体メーカー5社と物流サービス事業者10社の動向を解説します。
■調査報告書の製品形態、及び販売に関するご案内
書名 :ドローン物流の現状と将来展望2021
著・編 :青山 祐介、インプレス総合研究所
発行所 :株式会社インプレス
発売日 :2021年8月17日(火)
価格 :CD(PDF)版、ダウンロード版 93,500円 (本体 85,000円+税10%)
CD(PDF)+冊子版 104,500円 (本体 95,000円+税10%)
判型 :A4判
ページ数 :206ページ
詳細、ご予約は下記よりご覧ください。
https://research.impress.co.jp/drone_logi2021
本リリースの調査結果を利用される場合は、出所の明記をお願い致します。
出所表記例:「インプレス総合研究所『ドローン物流の現状と将来展望2021』」
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株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:松本大輔、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「モバイルサービス」「学術・理工学」「旅・鉄道」を主要テーマに専門性の高いメディア&サービスおよびソリューション事業を展開しています。さらに、コンテンツビジネスのプラットフォーム開発・運営も手がけています。